酸化還元の滴定に関する分野で登場するCOD測定とは何か知っていますか?
COD測定は水質検査に関する問題で、教科書や参考書では取り上げられないことが多いですが、90年代以降よく出題されるようになりました。
90年代以降、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、北海道大学、お茶の水大学、明治大学、上智大学、香川大学、青山学院大学などなど
難関大学で出題されています。
特に薬科大学、薬学部を受ける方は、きちんとおさえた方がいいでしょう。
2013年では大阪薬科大学、神戸薬科大学などで出題されています。
では、
COD(化学的酸素要求量 Chemical Oxygen Demand)とは、なんなのか解説したいと思います。
CODは簡単に言うと、河川や湖沼の水がどのくらい汚染されているかを表す一つの数値です。
その汚染具合をどう評価するのか?
試料水(例えば、川の水)に含まれている有機物の量を測定します。
その結果…
有機物の量が多いほど汚染されていると評価できる!
なぜ?
河川や湖沼の汚染の主な原因は、家庭排水等による有機物で、有機物が多いと酸素がその有機物を酸化するために消費されてしまう。
その結果、酸素が必要な水中の生物(微生物、水生植物、魚類等)が生息できなくなるからです。
もう少しCODを厳密に解説すると……
CODとは、試料水中の有機化合物を過マンガン酸カリウムKMnO4のような酸化剤で酸化分解したときに使われる酸化剤の消費量を、酸素を酸化剤として用いた場合の酸素の量[mg/L]に換算した値です。つまり、CODの単位は試料水1L当たりの酸素消費量[mg]で表されます。
有機物は還元剤(←ココポイント!)です。よって、直接、酸化剤である酸素で酸化すればいいんじゃない?
しかし…
① 酸素は気体なので、液体のように滴定できない。(逆滴定する方法はある。)
② 当量点で色が変化しない。
③ めちゃくちゃ弱い酸化剤。
なので、酸化剤として使えないのです!!
そこで!
① 液体である。
② 当量点で色が変化する。
③ 強い酸化剤である。
→ これらをすべて満たす万能選手!過マンガン酸カリウムを用います。
入試で登場するのは、ほとんどが過マンガン酸カリウムですが、まれにニクロム酸カリウムK2Cr2O7などが用いられることもあります。
では、用いた過マンガン酸カリウムをどうやって、酸素の量に換算するか?
1molの過マンガン酸カリウムは、下記の半反応式より
5molのe-を受け取ります。
MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O
一方、1molの酸素は、下記の半反応式より
4molのe-を受け取ります。
O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O
よって、
1molの過マンガン酸カリウムは、5/4molの酸素に相当します。
最後は…
酸素の物質量を試料水1Lあたりのmg数に換算すればOKです。
いかがでしょうか?
おそらく、なんとなくはわかったけど…
という感じだと思います。
これらを確実に理解するには、過去問題を解きながら身につけることが早道です。
COD測定に関する問題 完全攻略チャート&過去問題解説集では、COD測定の解法を色や図を使うなど、かみ砕いてわかりやすく解説しています。
□収録出題校
香川大学(2013年)、奈良県立大学(2013年)、大阪薬科大学(2013年)、神戸薬科大学(2013年)、東京理科大学(2010年)、岐阜大学(2009年)
これ以上わかりやすく丁寧に解説したチャート&過去問題解説集は他にはどこにもありません。
問題のみはココでみれます。
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