今日も『センター試験徹底分析チャート』について。
硝酸に関する問題について。
■製法
・硝酸は,火薬,医薬品,肥料,染料の重要な原料となる。
★オストワルト法
①アンモニアと空気との混合気体を800℃に加熱した白金網(触媒)に接触させて一酸化窒素を作る。
4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O
②冷却後,一酸化窒素を空気中の酸素と反応させ,二酸化窒素を作る。
2NO + O2 → 2NO2
③二酸化窒素を温水に吸収させて硝酸を生成する。
3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO
□出題年・2008年 本・2012年 本
■取り扱い
・濃硝酸は光を当てると,二酸化窒素(NO2)と酸素(O2)に分解するので,褐色瓶に入れて暗所で保存する。(褐色瓶は,光の侵入を遮る。)
・皮膚につくと,皮膚の色が黄色に変色する。
□出題年・2006年 本・2012年 本
■性質・反応
・濃硝酸(硝酸),濃硫酸(硫酸)には還元作用はない。(硝酸は酸化剤となる)
・銅または銀に希硝酸を加えると,一酸化窒素(NO)が生成する。
「水素よりイオン化傾向の小さい金属」+「酸化力をもつ酸」
3Cu +(希)8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO↑
・銅または銀に濃硝酸を加えると,二酸化窒素(NO2)が生成する。
「水素よりイオン化傾向の小さい金属」+「酸化力をもつ酸」
Cu +(濃)4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2↑・2000年 本・2007年 追
□出題年・2008年 追・2010年 本・2011年 本
・鉄,アルミニウム,ニッケルを濃硝酸や熱濃硫酸に入れると,表面に緻密な酸化物の皮膜が生じ,それ以上は酸化されなくなる。この状態を不動態という。
※希硫酸,希硝酸には溶けることに注意!
□出題年・2003年 本・2011年 本
・濃硝酸,濃硫酸,濃塩酸は,いずれもガラスをおかさない。
□出題年・2000年 本
・濃硝酸,濃塩酸は,揮発性の酸で,濃硫酸は,不揮発性の酸である。
□出題年・2000年 本
・白金は王水(濃硝酸:濃塩酸 = 1:3)には溶ける。
□出題年・2005年 本・2011年 本
■ニトロ化
・ベンゼンに濃硝酸と濃硫酸の混合物を加えて温めると,置換反応(ニトロ化)が起こり,ニトロベンゼンが生成する。
□出題年・1996年 本・1997年 追・1999年 本・2003年 追・2005年 本・2008年 追
・フェノールに濃硝酸と濃硫酸の混合物を加えて加熱すると,ニトロ化され, ピクリン酸(2,4,6-トリニトロフェノール)が黄色沈殿する。
□出題年・2000年 追・2001年 追・2004年 追
・トルエンに濃硝酸と濃硫酸の混合物を加えて加熱すると,ニトロ化され, 2,4,6-トリニトロトルエン(TNT)が生成する。
□出題年・2004年 追・2005年 本・2006年 追
■硝酸に関する問題 早見チャート
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硝酸に関する問題
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