今日は,合成ゴムに関する正誤問題です。
合成ゴムは,石油などの原料から化学的に合成されますが,天然のゴムの構造と非常によく似ています。
合成ゴムも,合成繊維,合成樹脂と同様に単量体と重合体の名称と構造,反応の仕組みと加硫についておさえましょう!
★次の正誤を判定せよ。
■問題① 天然ゴムに酸を加えて加水分解すると,イソプレンが得られる。
■問題② 生ゴムに5~8%の窒素を加えて,加熱すると弾性が増す。
■問題③ エチレンを触媒を用いて付加重合させると,ブタジエンゴムが生成する。
■問題④ スチレンと1,3-ブタジエンを付加重合させると,スチレンブタジエンゴムが生成する。
★解答
□問題①
□解答 …… 誤り。
天然ゴムは,ポリイソプレンからできていて,酸ではなく,乾留(空気を絶って加熱分解すること)するとイソプレンC5H8が得られます。
Point! 覚えておきたい乾留による反応
天然ゴムを乾留 → イソプレン
酢酸カルシウムを乾留 → アセトン
ゴムの木の幹を傷つけると白い樹液がでてきます。この樹液をラテックスといい,これに酸と加えると凝固します。これを天然ゴム(生ゴム)といいます。
この天然ゴムを乾留するとイソプレンという無色の液体が得られ,これを放置すると再びゴム状の物質となります。
つまり,天然ゴムはイソプレンが付加重合した構造をもちます。
イソプレンやイソプレンに似た構造をもつ化合物を付加重合や共重合させると
天然ゴムに似た性質をもつ合成ゴムが得られます。
□問題②
□解答 …… 誤り。
窒素ではなく5~8%の硫黄を加えて加熱することで,弾性を増します。
この操作を加硫といい,主にポリイソプレン中の二重結合の部分で,-S-S-または-S-の架橋構造が形成されます。
□問題③
□解答 …… 誤り。
エチレンではなく,1.3-ブタジエンを触媒を用いて付加重合させると,ブタジエンゴムが生成します。
類似した反応で,クロロプレンを付加重合させるとクロロプレンゴム(CR)が生成します。
CRは,耐候性,耐摩擦性に優れますが,軟らかいので,他のゴムと混合してタイヤやチューブ,ホースなどに使われます。
□問題④
□解答 …… 誤り。
付加重合ではなく,共重合させるとスチレンブタジエンゴム(SBR)が生成します。
2種類以上の単量体を付加重合させることを共重合といいます。
SBRは,ベンゼン環を持つため強度が強く,耐老化性,耐熱性,耐摩耗性に優れ,タイヤなどに使われています。
類似した反応で,アクリロニトリルとブタジエンを共重合させるとアクリロニトリル
ブタジエンゴム(NBR)が生成します。
NBRは,耐油性、耐寒性に優れ,石油ホースなどに使われています。
入試で出題される合成ゴムは,1分子内に2つの二重結合をもつ化合物(ジエンといいます。)から付加重合して得られるブタジエンゴムとクロロプレンゴム,ジエンとビニル化合物(ビニル基をもつ化合物)が共重合して得られるスチレンブタジエンゴムとアクリロニトリルブタジエンゴムの2通りに分けられます。
次の表にまとめたので,整理してしっかり頭に入れてください。
合成ゴムは,石油などの原料から化学的に合成されますが,天然のゴムの構造と非常によく似ています。
合成ゴムも,合成繊維,合成樹脂と同様に単量体と重合体の名称と構造,反応の仕組みと加硫についておさえましょう!
★次の正誤を判定せよ。
■問題① 天然ゴムに酸を加えて加水分解すると,イソプレンが得られる。
■問題② 生ゴムに5~8%の窒素を加えて,加熱すると弾性が増す。
■問題③ エチレンを触媒を用いて付加重合させると,ブタジエンゴムが生成する。
■問題④ スチレンと1,3-ブタジエンを付加重合させると,スチレンブタジエンゴムが生成する。
★解答
□問題①
□解答 …… 誤り。
天然ゴムは,ポリイソプレンからできていて,酸ではなく,乾留(空気を絶って加熱分解すること)するとイソプレンC5H8が得られます。
Point! 覚えておきたい乾留による反応
天然ゴムを乾留 → イソプレン
酢酸カルシウムを乾留 → アセトン
ゴムの木の幹を傷つけると白い樹液がでてきます。この樹液をラテックスといい,これに酸と加えると凝固します。これを天然ゴム(生ゴム)といいます。
この天然ゴムを乾留するとイソプレンという無色の液体が得られ,これを放置すると再びゴム状の物質となります。
つまり,天然ゴムはイソプレンが付加重合した構造をもちます。
イソプレンやイソプレンに似た構造をもつ化合物を付加重合や共重合させると
天然ゴムに似た性質をもつ合成ゴムが得られます。
□問題②
□解答 …… 誤り。
窒素ではなく5~8%の硫黄を加えて加熱することで,弾性を増します。
この操作を加硫といい,主にポリイソプレン中の二重結合の部分で,-S-S-または-S-の架橋構造が形成されます。
□問題③
□解答 …… 誤り。
エチレンではなく,1.3-ブタジエンを触媒を用いて付加重合させると,ブタジエンゴムが生成します。
類似した反応で,クロロプレンを付加重合させるとクロロプレンゴム(CR)が生成します。
CRは,耐候性,耐摩擦性に優れますが,軟らかいので,他のゴムと混合してタイヤやチューブ,ホースなどに使われます。
□問題④
□解答 …… 誤り。
付加重合ではなく,共重合させるとスチレンブタジエンゴム(SBR)が生成します。
2種類以上の単量体を付加重合させることを共重合といいます。
SBRは,ベンゼン環を持つため強度が強く,耐老化性,耐熱性,耐摩耗性に優れ,タイヤなどに使われています。
類似した反応で,アクリロニトリルとブタジエンを共重合させるとアクリロニトリル
ブタジエンゴム(NBR)が生成します。
NBRは,耐油性、耐寒性に優れ,石油ホースなどに使われています。
入試で出題される合成ゴムは,1分子内に2つの二重結合をもつ化合物(ジエンといいます。)から付加重合して得られるブタジエンゴムとクロロプレンゴム,ジエンとビニル化合物(ビニル基をもつ化合物)が共重合して得られるスチレンブタジエンゴムとアクリロニトリルブタジエンゴムの2通りに分けられます。
次の表にまとめたので,整理してしっかり頭に入れてください。