今日は、横浜国立大学 後期 理工(2019年)で出題された化学の問題を紹介します。
挑戦してみてください!
----------------------------------------------------------
次の文章を読み,以下の問いに答えよ。
銅は黄銅鉱などとして産出され,溶鉱炉にケイ砂,石灰石,コークスを入れて黄銅鉱を強熱すると硫化銅(Ⅰ)の他に2種類の化合物が生成する。
得られた硫化銅(Ⅰ)を含む生成物を転炉に移して空気を吹き込みながら加熱すると,純度99%程度の粗銅が得られる。粗銅には不純物が含まれているため,純度99.99%の純銅を得るには (A) を行う。
不純物である白金族金属等は (B) として沈殿する。
アルミニウムは銀白色の軟らかい金属であり,酸・強塩基の水溶液に溶解するため, (C) と呼ばれる。
工業的製法の原料としてボーキサイトが利用されている。ボーキサイトにはアルミナの他に不純物として酸化鉄(Ⅲ)が含まれている。
アルミナは加温・加圧下で濃水酸化ナトリウム水溶液に溶解できる。ここで,不純物である水酸化鉄(Ⅲ)は不溶性であるため,沈殿として除去される。
この水溶液に水を加えて,静置すれば沈殿物が得られる。得られた沈殿物を焼成することで純粋な酸化物が得られる。この酸化物を溶融した氷晶石中に溶解させ, (D) を行うことで金属が得られる。
銀は金属の中で延性・展性が大きく,電気伝導性や熱伝導性は金属の中で最も高い。
銀は塩酸や希硫酸とは反応しないが,酸化作用が強い濃硝酸には溶解する。溶解した銀イオンは溶解度積(Ksp)の差や金属塩の色により,陰イオンの判別にも利用できる。
一例として,銀イオンを含む水溶液に塩化ナトリウム水溶液を加えると沈殿物を生じ,この沈殿物にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えると錯塩が形成される。
また,酸化銀は過剰のアンモニア水を添加すると錯イオンとして溶解する。臭化銀は光によって分解し銀を遊離する (E) があるため,写真フィルムに利用されている。
■問
(A)~(E)に当てはまる適切な語句を以下の語群(a)~(r)の中から選び,記号で答えよ。
語群:
(a) 塩 析 (b) 光触媒作用 (c) 複 塩
(d) 旋光性 (e) 電解精錬 (f) アルカリ土類金属
(g) 遷移金属 (h) アルカリ金属 (i) 陽極泥
(j) 緩衝作用 (k) 両性金属 (l) 不動態
(m) 乳化作用 (n) 感光性 (o) 焼 結
(p) テルミット反応 (q) 潮解性 (r) 溶融塩電解
横浜国立大学 後期 理工(2019年) 一部略
----------------------------------------------------------
問
(A) (e)
(B) (i)
(C) (k)
(D) (r)
(E) (n)
-----------------------------------------------------------
化学に関するホームページ
「恋する化学」
数学に関するホームページ
「恋する数学」
ネットショップ「自宅でできる受験対策ショップ ワカルー!」