今日は、金沢大学(2019年)で出題された理由を問う記述問題を紹介します。
挑戦してみてください!
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窒素N2と水素H2の混合気体から気体のアンモニアNH3を可逆的に直接合成することができる。
ハーバーとボッシュは,NH3合成の(b)反応速度を大きくする種々の鉄化合物の触媒作用を調べ,四酸化三鉄Fe3O4を主成分とする触媒を用いて温度400~500℃,圧力1×107~3×107Paの条件で効率よくNH3を合成することに成功した。
①合成されたNH3は,平衡状態にある混合気体を冷却することにより,液体として取り出すことができる。
N2とH2の混合気体ではヘンリーの法則が成り立ち,一定温度で,一定体積の水に溶けるN2とH2の物質量は,それぞれの気体の分圧に比例する。
一方で,②ヘンリーの法則はNH3では成り立たない。NH3は弱塩基であり,水溶液中で電離平衡の状態にある。
■問題1
下線部①について,下図に示すように15族元素であるアンチモンSb,ヒ素As,リンPの水素化合物の沸点は,分子量が小さくなるほど低くなる傾向にあるが,最も分子量が小さいNH3の沸点は著しく高い。NH3の沸点が高い理由を25字以内で説明しなさい。
■問題2
下線部②について,NH3に対してヘンリーの法則が成り立たない理由を15字以内で説明しなさい。
金沢大学(2019年) 一部改
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■問題1の解答例
アンモニア分子間で水素結合が形成されるから。
■問題2の解答例
水への溶解度が大きいから。
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