今日は、高知大学(2019年)で出題された理由を問う記述問題を紹介します。
挑戦してみてください!
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油脂は高級脂肪酸とグリセリンのエステルであり動物,植物問わず広く生物体内に存在する天然有機化合物である。
常温で固体の油脂は特に脂肪と呼ばれ, (ア) 脂肪酸の含有量が多く,牛脂や豚脂のように主に動物から得られる。
一方,常温で液体の油脂は特に脂肪油と呼ばれ, (イ) 脂肪酸の含有量が多く,大豆油やオリーブ油など主に植物から得られる。
(イ) 脂肪酸は一般に (ウ) 型の立体構造となるため分子全体が折れ曲る。
①油脂を水酸化ナトリウム水溶液中で加熱すると,脂肪酸のナトリウム塩とグリセリンが得られる。
この脂肪酸のナトリウム塩には長い炭化水素基からなる (エ) の部分と,水溶液中で電荷を帯び (オ) を示す部分がある。
このような構造的特徴によって水に溶けてその表面張力を低下させたり,繊維などに付着した油性の汚れを洗浄する作用がある。
■問題1 (ア) ~ (オ) に当てはまる語句を以下から選んで記せ。
飽和, 不飽和, シス, トランス,
親水性, 疎水性
■問題2
下線部①によって得られる脂肪酸のナトリウム塩の一般名称を答えよ。
またその水溶液は弱塩基性を示すが,その理由を説明せよ。
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■問題1
(ア) 飽和
(イ) 不飽和
(ウ) シス
(エ) 疎水性
(オ) 親水性
■問題2
名称…石けん
理由…弱酸の脂肪酸と強塩基の水酸化ナトリウムの塩である石けんは水溶液中では電離した陰イオン[RCOO-]の一部が水と反応してOH-を生じるため。
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