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☆化学 九州大学 後期(2019年)の理由を問う記述問題

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今日は、九州大学(2019年)で出題された理由を問う記述問題を紹介します。

 

挑戦してみてください!

 

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 米はデンプンの成分の違いから,もち米とうるち米とに分類される。

 

デンプンは化合物Aおよび化合物Bから構成され,もち米には化合物Aのみが含まれ,うるち米では化合物Aが主成分で,化合物Bが10~30%ほど含まれている。

 

また,うるち米には日本で栽培され食べられているジャポニカ種と,世界の多くで栽培されているインディカ種がある。
 

精米したもち米とジャポニカ種米およびインディカ種米を粉状にして,それぞれ試験管に0.1gとり,10cm3の温水を加えて懸濁させた。

 

これらの懸濁液にヨウ素デンプン反応を試みたところ,ジャポニカ種米では濃青紫色の発色が,インディカ種米ではより濃い発色がみられたが,もち米は薄い赤紫色を示した。

 

さらに,これらの懸濁液を試験管ごと沸騰水につけて放置したところ,青紫も赤紫色も退色した。
 

 次に,甘酒をつくるために,うるち米(ジャポニカ種)の精米を炊飯器で炊いた。炊く前の精米のかたさがなくなると同時に,ヨウ素デンプン反応では炊く前のときのような濃い青紫色は示さず,全体が薄い青紫色を示した。

 

炊いた精米を放置して冷やすと固くなり,ヨウ素デンプン反応では,炊く前よりは薄いものの,炊きたての精米よりも濃い青紫色を示した。

 

炊いた精米に適量の水を加えて鍋で約60℃まで加熱し,それにカビの仲間である麹(コウジ)菌を少量加えて約8時間保温したところ,①甘く美味しい甘酒ができあがった。

 

また,得られた甘酒にはアルコールが全く含まれていなかった。

 

原理的には,甘酒に酵母菌を加えると日本酒ができる。③炊いた精米の場合とは異なり,甘酒では温かいものも冷えたものも,ヨウ素デンプン反応での青紫色の発色はみられなかった。


■問題1

炊きたての精米が炊く前のような濃い青紫色を示さない理由を答えなさい。

■問題2
下線部①にあるように,甘酒が甘くなる理由を答えなさい。

■問題3
下線部②にあるように,この方法でつくった甘酒にアルコールが含まれない理由を答えなさい。

■問題4

下線部③にあるように,甘酒は冷えてもヨウ素デンプン反応で発色しない理由を答えなさい。

九州大学 後期(2019年) 一部改良

 

 

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■問題1

デンプンにおける分子内水素結合ができなくなり,らせん構造が消失するため。


■問題2
コウジ菌のアミラーゼ等の酵素によりデンプンが分解され,マルトースやグルコースになるため。


■問題3
コウジ菌はアルコール酵母と違いアルコール発酵ができないため。


■問題4
酵素によるグリコシド結合の切断は不可逆的なもので,温度が下がってもらせんが戻ることはなく,形成もされないため。

 

 

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