今日は、信州大学(2021年)で出題された理由を問う記述問題を紹介します。
挑戦してみてください!
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高分子化合物には合成高分子化合物と天然高分子化合物があり,互いに物理的性質が似ているものが存在する。
合成高分子化合物の一つにアクリロニトリルを付加重合させて得られる( ア )がある。
この( ア )を主成分とする合成繊維は( イ )繊維とよばれる。
( イ )繊維には,アクリロニトリルに少量のアクリル酸メチルを混ぜて共重合したものがある。このようにして得られた重合体は( ア )と比べて染色性が向上している。
( イ )繊維は肌触りが羊毛に似ていて,柔らかく保温性があることから,敷物などに用いられている。羊毛の主成分は( ウ )とよばれる繊維状のタンパク質であり,天然高分子化合物の一つである。
また,これ以外の繊維状のタンパク質には,絹糸の主成分であるフィブロイン,皮膚や軟骨に含まれる( エ )が知られている。
一方,酢酸ビニルを付加重合させると( オ )になり,①これを加水分解すると( カ )が得られる。
( カ )の水溶液を細孔から硫酸ナトリウム水溶液中に押し出して凝固させ,繊維状にする。
②これをホルムアルデヒド水溶液で処理すると,水に不溶な繊維である( キ )ができる。
( キ )は天然繊維である( ク )によく似た性質を示し,ロープ・ネット・衣料などに用いられる。
( ク )の主成分は( ケ )であり,天然高分子化合物の多糖に分類される。
■問題1
空欄( ア )~( ケ )にあてはまる適切な語句を答えよ。
■問題2
下線部①の( カ )は紙用の「のり」として用いられている。
「のり」として活用できる理由を60字以内で説明せよ。
■問題3
下線部②の処理の名称を答えよ。
また,この反応で( キ )が水に不溶となる理由を40字以内で説明せよ。
信州大学 (2021年) 一部略
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■問題1
ア…ポリアクリロニトリル
イ…アクリル
ウ…ケラチン
エ…コラーゲン
オ…ポリ酢酸ビニル
カ…ポリビニルアルコール
キ…ビニロン
ク…綿
ケ…セルロース
■問題2
紙の原料であるセルロースのヒドロキシ基と,ポリビニルアルコールのヒドロキシ基が水素結合して分子どうしを結び付けるから。
■問題3
名称…アセタール化
理由…ヒドロキシ基から生じたアセタール構造は水に不溶なエーテル結合をもつから。
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