今日は,九州大学(2020年)で出題された「2族元素、工業的製法」に関する問題を紹介します。
------------------------------------------------------
炭酸ナトリウムを水溶液から再結晶すると,無色透明な十水和物の結晶が得られる。この結晶を空気中に放置すると,徐々に( ア )が失われて( イ )し,白色粉末状の一水和物になる。炭酸ナトリウムは水に溶けて( ウ )されるので,水溶液は塩基性を示す。
炭酸ナトリウムの工業的製法として,19世紀の中頃に( エ )が考案した( エ )法が現在も用いられている。この方法は( オ )ソーダ法とも呼ばれる。その概要を以下に述べる。
石灰石を高温で焼き,その主成分の( カ )の熱分解で二酸化炭素を発生させる。発生した二酸化炭素を,飽和食塩水に( オ )を十分に吸収させた水溶液に吹き込み,( キ )の沈殿を生成させる。この沈殿を水溶液から分離して焼き,( キ )を熱分解して炭酸ナトリウムの無水物を得る。
また,( エ )法では次のように副産物が利用される。( カ )の熱分解で生成した( ク )に水を加えて( ケ )を生成させる。( ケ )と,( キ )の製造工程で得られた( コ )を混合して高温で焼くと,( オ )が発生して サ が生成するので,( オ )を( キ )の製造に用いる。しかし現在では,( オ )は シ 法によって大量生産され容易に入手できるので,この工程はほとんど行われなくなった。
( エ )法の副産物の中には日用品に利用されているものがある。たとえば,( サ )の無水物は( ス )性が強いので,乾燥剤や除湿剤として用いられる。( ク )に水を加えると強く( セ )しながら激しく反応するので,( ク )は( セ )剤として用いられる。
( ケ )の飽和水溶液は( ソ )と呼ばれる。( ソ )に二酸化炭素の気体を吹き込むと白濁して沈殿が生成し,さらに吹き込み続けると沈殿が溶けて無色透明の溶液に変化する。
■問題
( ア )~( ソ )の空欄にあてはまる適切な語句や化合物の名称を書きなさい。
九州大学(2020年)
----------------------------------------------------
ア:水和水
イ:風解
ウ:加水分解
エ:ソルベー
オ:アンモニア
カ:炭酸カルシウム
キ:炭酸水素ナトリウム
ク:酸化カルシウム(生石灰)
ケ:水酸化カルシウム(消石灰)
コ:塩化アンモニウム
サ:塩化カルシウム
シ:ハーバー・ボッシュ[ハーバー)
ス:吸湿
セ:発熱
ソ:石灰水
----------------------------------------------------
「空欄に入る語句(解答)を入れた全文章」を朗読した音声データはコチラで聴けます。
『入試問題を解き+聴いて覚える化学 無機編』の問題文はコチラ
『入試問題を解き+聴いて覚える化学 有機編』の問題文はコチラ
「入試問題を解き+聴いて覚える化学」は下記「自宅でできる受験対策ショップ ワカルー」で販売しております。
有機編は下記よりご購入いただけます。
無機編は下記よりご購入いただけます。
お買い得セット商品は下記よりご購入いただけます。
大学受験対策の教材は