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入試問題文を聴いて覚える化学 16族元素編

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今日も、入試問題文を聴いて覚える化学 16族元素編です。

録音した音声はyoutubeにアップしています。


□テキストは下記参照ください。

入試問題文を聴いて覚える化学 16族元素編

■ 2011年度 関西大学
 雨水中には空気中の二酸化炭素が溶けているため,通常の雨水は弱酸性を示す。しかし,これよりも酸性の強い雨が降ることがあり,これを酸性雨という。

 酸性雨の原因の一つは,化石燃料などの燃焼中に窒素が酸化されてできる赤褐色の気体である二酸化窒素が雨水に溶けて,硝酸が生成するためである。また,硫黄化合物の燃焼により生成する無色の気体である二酸化硫黄も酸性雨の原因となる。これは二酸化硫黄が空気中で酸化され,雨水に溶けて硫酸が生成するためである。

 酸性雨により大理石製の彫像など歴史遺産に大きな被害が出ているが,これは,大理石の主成分である炭酸カルシウムが雨水中の硫酸と反応してセッコウになるためである。


■ 2011年度  明治大学
 酸性雨は産業革命が全盛を迎えた19世紀後半に英国で初めて用いられた言葉であるが,20世紀後半になると世界各地で観測されるようになり,地球規模の環境問題となっている。

 酸性雨の原因として,化石燃料が燃焼する時に生じる硫黄酸化物や自動車の排気ガス中に含まれる窒素酸化物がある。これらが大気中で酸化され,その結果として生じる三酸化硫黄や二酸化窒素が雨水中に溶け込み,硫酸や硝酸を生じることで酸性の雨をもたらす。


■ 2011年度 東京理科大学
 硫黄から製造される硫酸は化学工業上,最も重要な酸である。硫酸のうち,濃硫酸は強い吸湿性があり,脱水剤や乾燥剤として用いられる。希硫酸は強い酸性を示し,銅,銀などを除く多くの金属を溶かし水素を発生する。

 濃硫酸の製造は,硫黄を空気中で完全燃焼させて生じる二酸化硫黄を,酸化バナジウム(Ⅴ)の存在下で空気中の酸素により酸化し,これを濃硫酸に吸収させて発煙硫酸をつくる。これに希硫酸を加えて濃硫酸とする。このような硫酸の工業的製法を接触法という。


■ 2011年度 同志社大学
 硫黄の単体は火山地帯に産出するが,工業的には石油を精製するときに大量に得られる。硫黄の単体には,斜方硫黄,単斜硫黄,ゴム状硫黄などの同素体が存在する。硫黄が他の元素と反応してできた化合物を硫化物という。

 硫黄に点火すると青色の炎を上げて燃焼し,二酸化硫黄になる。二酸化硫黄は水によく溶け,その水溶液は亜硫酸とよばれる。亜硫酸は,弱い酸性を示す。また,二酸化硫黄は,亜硫酸水素ナトリウムに希硫酸を反応させても得られる。二酸化硫黄を酸化させると,三酸化硫黄が得られる。三酸化硫黄は発熱をともなって水と激しく反応し,硫酸を生じる。工業的には,硫酸は次のようにして製造される。
 高温状態の二酸化硫黄と酸素を,触媒を詰めた接触室に通し,三酸化硫黄にする。三酸化硫黄を濃硫酸に吸収させて発煙硫酸とし,これに希硫酸を加えて濃硫酸にする。この製法を接触法という。


■ 2011年度  新潟大学
 硫黄は多くの酸化数をとることが知られている。火山ガスに含まれる硫黄の化合物には硫黄の酸化数が+4である二酸化硫黄と酸化数が-2である硫化水素がある。

 二酸化硫黄は刺激臭,硫化水素は腐卵臭をもつ気体で,どちらも空気より重く,毒性がある。火山ガスの噴出孔付近では,二酸化硫黄と硫化水素が反応することにより単体の硫黄が生成し析出する。硫酸は工業的に大量に生産されている硫黄の化合物で,硫酸の中の硫黄の酸化数は+6である。

 希硫酸は強酸で,水素よりもイオン化傾向が大きい金属と反応して水素を発生する。また,濃硫酸を加熱したものは酸化力が強く,銅と反応して二酸化硫黄を発生する。


■ 2011年度 慶應義塾大学
 硫化水素は.無色の腐卵臭をもつ有毒な気体で,水に溶けると弱酸性を示す。また,強い還元作用があり,自身は酸化されて硫黄を生じる。
 
 また,銅イオンや銀イオンを含む水溶液に硫化水素を通じると水に溶けにくい黒色の硫化物が沈殿する。

 二酸化硫黄は無色の刺激臭をもつ有毒な気体で,水によく溶け,その水溶液は酸性を示す。多くの場合,還元剤として働くが硫化水素と反応するときは酸化剤として働き,このとき単体の硫黄が生成する。



HP「恋する化学」にpdfファイルをアップしています。


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