今日も、入試問題文を聴いて覚える化学 15族元素編です。
録音した音声はyoutubeにアップしています。
□テキストは下記参照ください。
入試問題文を聴いて覚える化学 15族元素編
■ 2011年度 京都工芸繊維大学
窒素は15族の典型元素であり,いくつかの酸化数をとる。窒素の単体は,大気中に窒素ガスとして存在している。窒素ガスと水素ガスの混合気体から,四酸化三鉄を主成分とした触媒を用いることによりアンモニアが工業的に合成されている。この方法はハーバー・ボッシュ法とよばれている。
アンモニアは弱塩基で,水に溶かすと,電離していない分子と電離して生じたイオンとの間に,電離平衡が成立する。また,窒素を含むいくつかのオキソ酸があり,それらのうちには,強い酸性を示すものもある。この化合物は,オストワルト法で合成されている。
■ 2011年度 立命館大学
実験室でアンモニアは,塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混合して加熱すれば得られる。アンモニアは水によく溶ける無色の気体であり,その水溶液は弱い塩基性を示す。工業的には,鉄を主成分とする触媒を使って直接窒素と水素からアンモニアが合成される。この反応は平衡反応である。
硝酸は,工業的にはアンモニアを酸化して製造される。この反応はオストワルト法と呼ばれ,次の3段階の化学反応式で表される。
第1段階 4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O
第2段階 2NO + O2 → 2NO2
第3段階 3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO
第1段階の触媒は白金であり,この反応で生じる一酸化窒素は水に溶けにくい無色の気体である。第2段階で生じる二酸化窒素は水によく溶ける赤褐色の気体である。
第3段階では,生じた二酸化窒素が硝酸になる。その時,生じる一酸化窒素は再び第2段階で酸化されて,二酸化窒素になり,第3段階で硝酸へと変わることになる。
■ 2011年度 徳島大学
窒素Nは原子番号7の元素であり,その単体は,常温においては二原子分子のN2である。人類は,窒素化合物を肥料や火薬などに利用してきたが,N2は化学的に安定であるため,空気中のN2を直接利用することは困難であった。
20世紀の初め,ハーバーとボッシュは,窒素N2と水素H2からアンモニアNH3を合成する方法を開発し,その工業化に成功した。アンモニアは刺激臭のある無色の気体であり,水に溶けやすく,その水溶液は弱い塩基性を示す。合成されたアンモニアは硫酸アンモニウム,尿素,硝酸など,さまざまな化合物に変化させたのち,工業原料や肥料などとして用いられる。
窒素の酸化物にはさまざまなものが知られている。たとえば一酸化二窒素N2Oは笑気ガスともよばれ,麻酔作用などの薬理作用を有する。N2Oは,CO2などとともに,温室効果ガスとして大気の温度上昇にも関与している。
一酸化窒素NOや二酸化窒素NO2は,物質が燃焼する際に,燃料中の窒素原子の酸化や,高温・高圧下における空気中のN2とO2との反応により生成する。これらは,大気中での反応を通して,光化学スモッグや酸性雨の発生にも関与している。
■ 2011年度 京都産業大学
窒素の単体は,窒素原子が2個結合してできた分子であり,室温で安定な気体である。窒素を含む化合物であるアンモニアは,刺激臭を持つ無色の気体で水によく溶け,その水溶液は弱塩基性を示す。
実験室では,アンモニウム塩を強塩基とともに熱してアンモニアを発生させ,これを捕集する。また,工業的には,窒素と水素を体積比1:3で混合し,鉄を主成分とした触媒を用いて高温,高圧で化合させてアンモニアを発生させる。窒素はいろいろな割合で酸素と化合する。一酸化窒素は,実験室では銅に希硝酸を加えて発生させ,これを捕集する。
一方,二酸化窒素は,銅に濃硝酸を加えて発生させ,これを捕集する。硝酸は,実験室では硝酸塩に濃硫酸を加え,加熱して発生させる。
窒素と同じ周期表15族に属する非金属元素のリンは,リン酸塩として動物の骨や歯に多く含まれる。単体は,工業的にはリン鉱石を電気炉中でけい砂と反応させてつくられる。このときリンは蒸気となって発生し,これを水中で固化させると黄リンが得られる。
黄リンを250℃で空気を断って熱すると,赤褐色固体の赤リンとなる。赤リンはマッチ箱の側)薬として用いられている。
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入試問題文を聴いて覚える化学 15族元素編です。
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