化学のセンター試験対策のチャート&過去問題(1994年~2012年本・追試験)の解説集がやっと完成しました。
長らくお待たせしてすみません。
今日はそのうちの「熱化学」のチャートについて紹介したいと思います。
1994年~2012年の「熱化学」分野の問題を分析してみると,問題のタイプは下記6つのタイプに分類できました。
Ⅰ.4つの反応熱と状態変化熱の定義・エネルギーの大小関係タイプ
Ⅱ.1つの熱化学方程式からある値タイプ
Ⅲ.複数の熱化学方程式からある反応熱タイプ
Ⅳ.混合気体の燃焼タイプ
Ⅴ.「溶解熱」+「中和熱」タイプ
Ⅵ.比熱の計算問題タイプ
Ⅰは4つの反応熱(燃焼熱,生成熱,溶解熱,中和熱)と状態変化熱の定義を問う問題と
熱化学方程式からエネルギー図,エネルギーの大小関係を問う問題(その逆も)で
解法のポイントは,
①定義を確実におさえて,日本語の表記(例:メタンの燃焼熱は890kJ/mol)
から熱化学方程式が作れるようにする。
★熱化学方程式は,主人公の係数を1にすることを常に頭に置いてくださいね!!
②熱化学方程式からエネルギー図,エネルギーの大小関係を読み取れるようにする。(その逆も)
の2つです。
A=B+QkJ のとき, A(1mol)が持つエネルギー > B(1mol)が持つエネルギー
A=B-QkJ のとき, A(1mol)が持つエネルギー < B(1mol)が持つエネルギー
となり,このときのエネルギー図がイメージできるようにしてくださいね!
そして,最もよく出題されているのが
Ⅲの複数の熱化学方程式から「ある反応熱」を求めさせる問題で
解法は,主に
①「加減法」(熱化学方程式を数学の連立方程式と同様に考えて解く。)
②「代入法」(熱化学方程式を数学の連立方程式と同様に考えて解く。)
③「右辺(生成物)の生成熱の総和」-「左辺(反応物)の生成熱の総和」
の3つがあります。
「加減法」,「代入法」は,どのタイプでも使えると考えてよいでしょう。
しかし,③の公式が使える場合には,素早く簡単に解けるので,公式を使って解くことをおすすめします。
3つの解法はともに,まずは与えられた条件を熱化学方程式で表してから考えるので,確実に熱化学方程式が書けるように覚えてください。
Ⅴの「溶解熱」+「中和熱」タイプは,一番苦手な人が多い問題で,よく出題される問題を例に解説します。
■問題例
塩化水素(気体)を水に溶かしたときの溶解熱をQ1とする。(この溶液を塩酸という。(HClaqと書く))
水酸化ナトリウム(固体)を水に溶かしたときの溶解熱をQ2とする。
さらに,塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を反応(中和反応)させたときの中和熱をQ3とする。
水酸化ナトリウム(固体)を塩酸に溶かしたときの反応熱 Q4はいくらか?
□解説と解答
ここでのポイントは,
水酸化ナトリウム(固体)を塩酸に溶かしたときの反応熱Q4は,
Q4=「NaOH(固)の水に対する溶解熱Q2」+「塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和熱Q3」
となることです!
∴ Q4=Q2+Q3 ……(答え)
※この問題では,溶解熱Q1は関係ない!
熱化学方程式を用いて解くと
NaOH(固)+aq= NaOHaq + Q2kJ ……①
HClaq + NaOH aq = H2O + NaClaq + Q3kJ ……②
から,
NaOH(固) + HClaq = H2O + NaClaq + Q4をつくることを考えます。
よって,①+②より
NaOH(固) + HClaq = H2O + NaClaq + (Q2+ Q3)kJ
∴ Q4=Q2+Q3 ……(答え)
となります。
完全攻略チャートは,全6枚でこれらを色や図をふんだんに用いてわかりやすく丁寧に解説しています。
また,過去問解説集では
過去問題(1994年~2012年 本・追試験)をチャートでまとめた解法タイプ毎に分けて解説しているので,解法が整理されて確実に頭に入ると思います。
これだけの膨大な量の過去問題を解説している参考書等は他にはないでしょう。
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