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気体発生の実験操作と発生装置について

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今日は,気体発生の実験操作と発生装置について

発生装置で試験で狙われるポイントは,加熱するかどうか。 
加熱するかどうかを見分けるポイントは,次の5点になります。

① 固体+固体の場合……特に,固体どうしの反応は,反応しにくいために加熱する必要があります。

② 濃硫酸を用いる場合……濃硫酸を加熱することで,酸化力を強めたり,脱水反応や不揮発性の酸
             として利用します。※希硫酸の場合は加熱しないので注意!

③ その他……亜硝酸アンモニウムの熱分解やMnO2を酸化剤として用いる場合には加熱を必要とします。

④「弱酸の塩」+「強酸」→「強酸の塩」+「弱酸」のパターンは反応が激しいので加熱はしません。

⑤ HNO3は熱や光で分解するので加熱は不可。 


実験器具・装置の操作方法で試験に狙われるポイントは下記になります。

■固体のみを試験管で加熱する場合の注意点

固体どうしや固体のみを試験管で加熱する場合は,試験管の底を少し上げる。
理由は,発生した水蒸気が試験管の口付近で冷却され,水滴となる。これが試験管の底の加熱している部分に流れ落ちると急激な温度変化によって試験管が割れてしまうのを防ぐため。


■二又試験管の使用法とポイント

くびれ(突起)のついた方に固体を,もう一方に液体を入れる。気体を発生させたいときは,管を倒し,液体を固体の方へ入れる。発生を止めるときは元へ戻せばよい。固体のほうは,くびれに引っかかり残るので,固体と液体を離すことができ反応を止めることができる。
例:①亜鉛+希硫酸,②石灰石と希硫酸,③硫化鉄(Ⅱ)+希硫酸


■キップの装置の使用法とポイント
(※装置図は後日掲載予定です。)
キップの装置は,固体は塊・粒状(粉末は下部に入ってしまうのでダメ)を用いて,液体は上から入れる。すると,液体は下部の容器に入り,液面がどんどん上昇し,固体と接触し反応が始まる。
反応を止めたいときは,コックを閉じる。すると,発生した気体の行き場がなくなり,中の容器の圧力が高まり液体の液面を押し下げ,液体が逆流して戻っていく。液面が下がると固体と液体が離れるので,反応が止まる。
例:①亜鉛+希硫酸,②石灰石と希硫酸,③硫化鉄(Ⅱ)+希硫酸




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