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ゴムに関する過去問題

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今日は2010年~2103年までに出題された「ゴム」に関する過去問題(穴埋め・記述問題)をまとめてみました。


■ 天然ゴムの主成分は,イソプレンが〔 ア 〕重合した鎖状構造をもつ一般式(C5H8)nで表される高分子化合物である。この構成単位に含まれる二重結合は〔 イ 〕型の構造をとるため,分子全体が丸まった形となる。また,天然ゴムは,炭素・炭素間の単結合がそれを軸として自由に回転できるために,ゴムを引っ張ると分子が伸びる一方,伸びたポリイソプレンの分子は熱運動のために分子鎖が丸まって縮まろうとする。このように,ポリイソプレンの炭素-炭素間に存在する単結合と二重結合は,ゴムがその性質を示すうえで重要である。
 天然ゴムに数%の硫黄を加えて加熱する〔 ウ 〕とよばれる操作を加えると,鎖状の分子が硫黄原子によって〔 エ 〕構造を形成するため,より弾性の大きなゴムとなる。さらに,天然ゴムに大量の硫黄を加えて長時間加熱すると,〔 オ 〕とよばれる黒色の硬い物質が得られ,電球のソケットなどの材料として使われていた。
 一方,イソプレンやそれに似た構造をもつ単量体の〔 ア 〕重合によって合成ゴムが得られる。ブタジエンゴムは,1,3-ブタジエンを〔 ア 〕重合させることで得られる。また,アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)はアクリロニトリルC3H3Nと1,3-ブタジエンを共重合させることで得られる。これらは耐老化性,耐寒性などが天然ゴムより優れていることから,現在一般的に広く使用されている。

問1 〔 ア 〕~〔 オ 〕に入る最も適当な語句を記せ。
問2 下線部(a)について,空気中の微量のオゾンがゴムを劣化させる大きな原因の1つとなる。この劣化の原因をゴムの化学構造をふまえて,簡潔に記せ。
(2012 京都薬科大学 薬)

□解答
ア…付加, イ…シス, ウ…加硫, エ…架橋, オ…エボナイト




■アセチレンに水を付加させると化合物Aを経て,化合物Bになる。このとき,硫酸水銀を触媒として用いるが,この廃液を海に流出した結果,生じたのが水俣病である。アセチレンにシアン化水素を反応させると,化合物Cができる。また,アセチレン2分子を重合させた化合物に触媒を用いて水素を付加すると,1,3-ブタジエンが得られる。(c)化合物Cと1,3-ブタジエンを混ぜて重合することにより得られる合成ゴムDは耐油性が大きく,耐油ホース,耐油パッキンなどに用いられる。

1.化合物A,B,C,Dについて,その化合物名を記せ。
2.下線部(c)について,このような重合法を何というか。
(2012 慶應義塾大学 医 一部改)

□解答
1.A…ビニルアルコール B…アセトアルデヒド C…アクリロニトリル C…アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)
2.共重合




■次の天然ゴムに関する記述(A)から(E)の中から,誤りを含むものをすべて選び,記号で答えよ。
(A) 天然ゴムの主成分であるポリイソプレンは,ほとんどのC=C結合部分でトランス型の構造をとっている。
(B) ゴムの木の樹皮を傷つけて得られる乳濁液(ラテックス)に酢酸などの凝固剤を加え,固まらせたものを生ゴムという。
(C) 空気を断ち,強く加熱することで,ポリイソプレンを分解し,イソプレンを分離して得ることができる。これらの操作を乾留という。
(D) 酸素の同素体であるオゾンは,天然ゴムのC=C結合との反応性に富んでおり,結合の切断によるゴムの劣化を招く。
(E) 天然ゴムに硫黄粉末を加えて処理することを加硫という。これにより,ゴムとしての弾性と溶媒への溶解性をともに向上させることができる。
(2013 芝浦工業大学 工 システム理工 デザイン工)

□解答
(A),(D)

※(A)トランス型ではなくシス型。(D)オゾンではなくて酸素。




■ゴムの木に傷をつけると( ① )という樹液がしみ出してくる。この( ① )に有機酸を加えると沈殿を生じる。この沈殿を水洗,乾燥して天然ゴムが得られる。天然ゴムは( ② )が付加重合した多量体である。(a)天然ゴムの強度や弾性を増すために( ③ )と呼ばれる処理がなされる。
 ( ② )のメチル基を( ④ )原子に置換して付加重合させたものを( ⑤ )ゴムという。( ⑤ )ゴムは,燃えにくく,耐熱性があり,油にも溶けにくいため,機械部品等に頻用される。( ⑥ )と( ⑦ )との共重合により生じる( ⑧ )ゴムは機械的強度が大きく,自動車のタイヤに用いられる。( ⑥ )と窒素を含む( ⑨ )を共重合させると,耐油性の大きな( ⑩ )ゴムを生じ,石油ホースなどに用いられる。ケイ素と塩素を含む単量体( ⑪ )の重合体を( ⑫ )ゴムという。

問1 ( ① )~( ⑫ )にあてはまる物質名または語句を入れよ。
問2 下線部(a)の操作により天然ゴムの多量体間にどのような化学変化が生じるか。20字以内で述べよ。
(2012 昭和大学 医)

□解答
問1 ① ラテックス ② イソプレン ③ 加硫 ④ 塩素 ⑤ クロロプレン ⑥ ブタジエン ⑦ スチレン ⑧ スチレン-ブタジエン ⑨ アクリロニトリル ⑩ アクリロニトリル-ブタジエン ⑪ ジクロロジメチルシラン ⑫ シリコーン

問2 硫黄により二重結合に架橋構造ができる。




■クロロプレンゴムが生成する場合は,6,6-ナイロンが生成する場合と反応の様式が異なる。どのように異なるか述べよ。
(2012 関西学院大学 教育 総合政策 理工)

□解答
クロロプレンゴムは単量体中に含まれる二重結合の付加重合によって生成するが,6,6-ナイロンはアジピン酸とヘキサメチレンジアミンの縮合重合によって生成する。

■シス型のポリイソプレンを主成分とするのはどれか。
a.天然ゴム b.エボナイト c.クロロプレンゴム d.グッタペルカ e.シリコーンゴム
(2013 東邦大学 医)

□解答
a.天然ゴム

※天然ゴムはほとんどシス形のポリイソプレンでできている。
グッタペルカは,トランス形のポリイソプレンでできている。
エボナイトは黒くて硬く,家具や仏壇の材料となる。

■ 生ゴムの主な成分はポリイソプレンで,二重結合部分の多くがシス型の構造をしている。この生ゴムに3~8質量%の ア を加えて130~140℃で加熱すると,安定で弾性の高いゴムに変わる。

 ア の解答群 
① 硫 黄 ② エタノール ③ カルシウム ④ 水酸化ナトリウム⑤ 臭 素 ⑥ ナトリウム ⑦ パラフィン ⑧ メタノール⑨ ヨウ素
(2013 明治大学 理工)

□解答
① 




■ゴムを大きく2つに分類すると,ゴムノキの樹皮から流出するラテックスに酸を加えて凝固させた A ゴムと,1,3-ブタジエンやイソプレンなどを(b)付加重合させて人工的に作った B ゴムに分かれる。スチレンと1,3-ブタジエンの共重合により生じたSBRは B ゴムに分類され,耐老化性,耐熱性,耐摩耗性に優れ,タイヤなどによく使われている。

問1  A,Bに入る適切な語句を記入しなさい。
問2  Aゴムに硫黄を加えて熱すると,弾性が大きくなり,化学的にも機械的にも強くなった。これは, A ゴムの構造にどのような変化が起こったためか,35字以内で説明しなさい。
(2012 金沢大学 人間社会学域 理工学域 医薬保健学域)

□解答
問1 A…天然 B…合成
問2 ポリイソプレン分子中の二重結合部分に,硫黄原子が架橋構造を作っている。


■実験を行う際に手袋をしようとしたところ,2種類の手袋があった。ひとつは,ゴムの木からとれる乳液(ラテックス)を原料にして作られた天然ゴム手袋である。ラテックスは,高分子化合物のゴムの分子が〔 (ア) 〕状に分散したものである。そのため,酢酸などの酸を加えると,この〔 (ア) 〕粒子が凝集し,生ゴムが生じる。これは,主にイソプレンが〔 (イ) 〕重合した構造をしている。もう1つは,アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)で作られた合成ゴム手袋である。これは,①アクリロニトリルと②ブタジエンを〔 (ウ) 〕重合させてつくられた合成ゴム手袋である。NBRはガソリンのような無極性の油に対する耐性に優れており,一般的には〔 (エ) 〕の含有量が増大するほど,その耐性も増大するといわれている。

問1.〔 (ア) 〕と〔 (エ) 〕に当てはまる言葉を書きなさい。
問2.〔 (イ) 〕と〔 (ウ) 〕に当てはまる言葉を下から選び,解答欄に書きなさい。ただし,〔 (イ) 〕と〔 (ウ) 〕には,それぞれ別の言葉を入れなさい。
開環 縮合 付加 脱 共
(2013 九州大学 理)

□解答
問1.ア…コロイド, エ…ベンゼン環
問2.イ…付加, ウ…共




■天然ゴムは,ポリイソプレン構造を有する天然高分子であり,合成ゴムは,炭素数4の( ア )やクロロプレンなどから合成されている。いずれも,重合体に炭素-炭素二重結合が存在する。

問1.文章中の( ア )に適切な語句を入れなさい。
問2.天然ゴムに硫黄を5~8%加えて140℃に加熱すると,化学的にも機械的にも強度が増す。この時に起こる構造変化を50字程度で説明しなさい。
(2012 九州大学 理)

□解答
問1 ア…ブタジエン
問2 天然ゴム中に含まれる炭素原子間の二重結合の部分に,硫黄原子が橋かけをつくるように結合する。




■ゴムはゴムノキの樹液から得られる天然ゴムと,人工的に作り出された合成ゴムに大別される。天然ゴムは,イソプレンが付加重合した ア 形の構造をもつポリイソプレンである。合成ゴムとしては,ブタジエンを付加重合して得られるブタジエンゴムや,クロロプレンから得られるクロロプレンゴム,スチレンとブタジエンを共重合して得られるスチレン-ブタジエンゴムなどが挙げられる。

問1 文中の ア に適切な語句を記せ。
問2 ゴムに5~8%の硫黄を加えて,140℃に熱する処理を加硫という。加硫するとゴムの弾性が高くなる理由を,分子構造に基づいて説明せよ。
(2012 熊本大学 理 医 薬 工)

□解答
問1 ア…シス
問2 硫黄を加えると,鎖状のゴムの分子の間を硫黄原子が結合して架橋構造を形成するため。




■ゴムノキの樹皮に切り傷をつけて得られる乳液に酢酸を加え凝固させたものを生ゴム(天然ゴム)とよぶ。生ゴムは単一の単量体が結合した高分子化合物である。(f)生ゴムを乾留すると単量体が得られる。生ゴムは伸びたり縮んだりする弾性を持つ。(g)この弾性は空気中に長く放置すると失われる。(h)生ゴムに5~8%程度の硫黄を加えて加熱すると,弾性は大きくなる。

問1 下線部(f)について,乾留とはどのような操作か説明せよ。
問2 下線部(g)について,弾性が失われる理由を説明せよ。
問3 下線部(h)について,この操作の名称を書き,弾性が大きくなる理由を説明せよ。
(2013 新潟大学 教育 理 医 歯 工 農 )

□解答
問1 空気を遮断して高温で熱分解させる操作
問2 生ゴム中に含まれる炭素原子間の二重結合が空気中の酸素によって酸化され,分子構造が変化するため。
問3 
加硫
理由…生ゴム中に含まれる炭素原子間の二重結合の部分に,硫黄原子が架橋構造を形成すため。





■自動車のタイヤなどに用いられるゴムは,私たちの生活において欠かすことのできない有機高分子の一つである。ゴムノキの樹液から得られる生ゴム(天然ゴム)は分子式[-C5H8-]nで表され,イソプレンが付加重合したポリイソプレンの構造をもっている。(b)[生ゴムに硫黄を加えて加熱]すると,ポリイソプレン分子どうしが硫黄原子により橋かけされ,弾性に富んだ材料となる。
 一方,イソプレンに似た構造をもつブタジエン(CH2=CH-CH=CH2)やクロロプレンを付加重合して得られる高分子化合物は,合成ゴムとして広く利用されている。また,スチレンやアクリロニトリル(CH2=CH-CN)をブタジエンと共重合して得られる高分子化合物(それぞれSBRおよびNBRと呼ばれる)も合成ゴムとして利用される。
 これらのゴムを構成する高分子に含まれている二重結合が酸素やオゾンと反応すると,ゴムに特有の弾性は失われ,ゴムは劣化する。耐候性や耐薬品性を高めるために,SBRやNBRに含まれるブタジエンの単位部分の二重結合を水素化した水素化SBRや水素化NBRも製造されている。また,イソブチレンに少量のイソプレンを加えて共重合させたブチルゴムや,シリコーン樹脂と類似した重合体に橋かけ構造を導入したシリコーンゴムなど,くり返し単位(くり返し構造単位)に二重結合を含まない合成ゴムもつくられている。

問 下線部(b)の処理を何と呼ぶか。最も適切な語句を記せ。
( 2013 広島大学 教育 理 医 歯 薬 工 生物生産 )

□解答
加硫





■生ゴムに硫黄を加えて加熱すると,弾性が大きくなり機械的に強くなる。その理由を述べよ。
(2013 横浜市立大学 医)

□解答
理由…生ゴム中に含まれる炭素原子間の二重結合の部分に,硫黄原子が架橋構造を形成すため。




■イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)C5H8は,ブタジエン分子の端から2番目の炭素原子に結合した水素原子をメチル基で置換した化合物である。イソプレンを 2 させると,ブタジエンと同様な反応が起こり,イソプレンゴムが生成する。イソプレンゴムの炭素原子鎖(主鎖)には4種類の基本的な繰り返し単位が形成される。分子の片方の二重結合だけが反応した場合には,2種類の繰り返し単位ができる。また,両方の二重結合が反応に関与し,分子の両端で結合した場合には,シス型およびトランス型の2種類の繰り返し単位ができる。
 天然ゴム(生ゴム)もイソプレンが 2 した構造を持ち,その繰り返し単位はシス型である。 ゴムは,弱い力で長く伸び,力を取り除けば元に戻るというゴム特有の 4 を示すので,天然ゴムやいろいろな合成ゴムが手袋,タイヤ,ホース,ガスケット,パッキンなどに用いられている。

問1 上の文章中の 1 ~ 3 に当てはまる適切な語句を答えなさい。
問2 上の文章中の 4 に当てはまる適切な語句は何か,次の(ア)~(オ)の中から1つ選び,記号で答えなさい。
(ア) 展 性 (イ) 潮解性 (ウ) 延 性 (エ) 弾 性 (オ) 粘 性
(2013 琉球大学 教育 理 医 農 )

□解答
問1 1…付加反応 2…付加重合 
問2 (エ) 弾 性




■ ポリイソプレンはイソプレンを単量体とする付加重合により合成される重合体(ポリマー)であり,その主鎖中にC=C二重結合を有する構造をしている。その二重結合が A 型の重合体は一般にゴム弾性を示す。一方,グタペルカと呼ばれる B 型の二重結合を有する重合体は,かたくて弾性にとぼしい。ゴム弾性を示すポリイソプレンに硫黄の粉末を反応させることを C というが,これによって溶剤への溶解性を低下させ,またゴム弾性を改善することができる。

問 A ~ C に入る言葉を記せ。
(2009 愛媛大学 医 教育 工 農 理)

□解答
A…シス B…トランス C…加硫 




■ 天然ゴムの糸におもりをぶら下げて引っ張った状態にすると,ゴムの中の高分子は比較的伸びた形状になる。この状態のゴム糸を加熱すると,全体の長さがどのように変化するか,適切なものを下記の選択肢から選び,その記号を解答欄に記せ。また,そのような変化が起こる理由について,「分子の熱運動」と関連させて80字以内で説明せよ。
[選択肢] 
(あ) 伸びる, (い) そのまま, (う) 縮む
(2009 富山大学 医 工 薬 理)

□解答
(う) 縮む
理由…引っ張られて,伸びた状態の天然ゴムを加熱すると,分子の熱運動が激しくなり,引っ張られる前の折れ曲がった状態に戻ろうとするため。





■炭素と炭素の二重結合をもたないため加硫の操作を行わなくても高い耐老化性を示す合成ゴムを次の(ア)~(ウ)の中から一つ選び,記号で答えよ。
(ア) ブタジエンゴム (イ) シリコーンゴム (ウ) クロロプレンゴム
(2010 新潟大学 医 教育 工 歯 農 理 )

□解答
(イ) シリコーンゴム

※シリコーンゴムは単結合だけからなる鎖状の高分子化合物。





■天然ゴム(生ゴム)は (シ) が付加重合した線状の構造をもっている。硫黄を加え,この線状の構造を網目状構造(架橋構造)にし,化学的安定性を増すための処理を (ス) という。 (ス) により有機溶媒に溶けにくくなり,弾性が (シ) なる。一方,天然ゴムと似た構造をもつ合成ゴムも広く利用されている。たとえば,スチレンと (ソ) の共重合物であるスチレン- (ソ) ゴム(SBR)は,タイヤや工業用品として用いられている。

問3 文中の (シ) ~ (ソ) に当てはまる語句を記せ。
(2010 福井大学 工)

□解答
(シ) イソプレン (ス)加硫 (セ)強く  (ソ)ブタジエン




■ゴムノキの樹液である (ア) に酸を加えて得られる生ゴム(天然ゴム)を乾留すると A が生成する。合成ゴムは,この A とよく似た構造を持つ1,3-ブタジエンあるいはクロロプレンを,それぞれ (イ) 重合してブタジエンゴムあるいはクロロプレンゴムとしたものである。また,アクリロニトリルと1,3-ブタジエンとを (ウ) 重合させると,アクリロニトリル-ブタジエンゴムが得られる。いずれのゴムも野外で長い間放置すると,紫外線と (エ) との影響で弾性が失われていく。

1.(ア)~(エ)に適切な語句を記せ。
2.Aの物質名を記せ。
(2010 法政大学 デザイン工 生命科 理工)

□解答
(ア)ラテックス (イ)付加 (ウ)共 (エ)酸素
A 天然ゴム(生ゴム)



■石油などを原料としてつくられる合成高分子化合物から,天然に存在する高分子化合物の長所を再現した種々の素材が人工的に得られる。ゴムでは,天然ゴム(生ゴム)のような性質をもつ合成ゴムがつくられている。
たとえば,aイソプレンに似た構造をもつ1,3-ブタジエンやbクロロプレンから,それぞれ付加重合によって,ブタジエンゴムやクロロプレンゴムが得られる。さらに,生ゴムと同様のc加硫という操作を加えることによって,適度な強度と弾性をもつゴムが得られる。

(1) 下線部cの加硫とはどのような操作であるか。その内容を簡潔に記しなさい。また,加硫という操作によってゴムの弾性が増す理由を簡潔に記しなさい。
(2011 秋田大学 工学資源 )

□解答
(1)
内容…少量の硫黄を加えて加熱する操作
理由…高分子鎖間に硫黄原子による架橋構造が形成されるから。




■高分子化合物は,その組成や分子の構造により分類される。有機物である高分子化合物は有機高分子化合物という。また,高分子化合物のうち,天然に存在するものを天然高分子化合物,人工的に合成されたものを合成高分子化合物という。
 ゴムノキの傷つけた樹皮から流出する白い乳液である( ア )に酸を加えて凝析させると,天然ゴム(生ゴム)が得られる。天然ゴムは( イ )が重合した構造をとる。天然ゴムは分子中に( ウ )を持っており,この部分が酸素により酸化されると,構造が変化し,しだいに弾性を失い劣化する。天然ゴムに( エ )を5~8%加えて加熱すると,化学的にも機械的にも強くなる。天然ゴムの構造を参考にして,クロロプレンゴムなどの合成ゴムがつくられている。

問1 文中の( ア )~( ク )にあてはまる語を記しなさい。
(2011 大分大学 医)

□解答
(ア)ラテックス (イ)イソプレン (ウ)二重結合  (エ)硫黄




■ゴムの木の樹皮に切り傷をつけると,ラテックスが流れ出てくる。これを集めて ア を加えると,凝固して イ になる。これが天然ゴムである。a天然ゴムの主成分は ウ であり, エ 形の構造をもつ。 イ 

にイオウを加えて加熱することにより,弾性の高いゴムを作ることができる。bこのような操作を オ という。さらに多くのイオウを加え加熱すると,この物質は カ なる。
  ウ の単量体に似た構造をもつ単量体を重合させると,天然ゴムに似た性質の合成ゴムが得られる。合成ゴムであるブタジエンゴムやクロロプレンゴムは,それぞれの単量体を キ させることによってつくられる。

問1 空欄 ア ~ キ に当てはまる最も適切な語句を次の①~⑯から選び,番号で答えよ。
① アルカリ ② 酸 ③ シリコーンゴム ④ 生ゴム ⑤ ポリスチレン
⑥ ポリイソプレン ⑦ ポリプロピレン ⑧ トランス ⑨ シス ⑩ 水素化
⑪ 加硫 ⑫ かたく ⑬ やわらかく ⑭ 縮合重合 ⑮開環重合 ⑯ 付加重合

問2 下線部bのような操作によって天然ゴムに何という構造が形成されるかを記せ。
(2011 群馬大学 工)

□解答
ア…② 酸, イ…④ 生ゴム, ウ…⑥ ポリイソプレン, エ…⑨ シス, オ…⑪ 加硫, カ…⑫ かたく, キ…⑯ 付加重合, 問2 架橋構造(三次元立体網目構造)

※問題は一部省略,変更しています。


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