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油脂の計算問題 完全攻略チャート&過去問解説集の販売を開始しました。

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油脂の分野では,特に計算問題が多く出題されます。
油脂の計算問題は,けん化価,ヨウ素価がわかれば大丈夫だと思っている人が多いのですが,
実際には,これらを絡めて最終的には油脂の分子式や油脂を構成する高級脂肪酸の示性式を求めさせる問題が多く出題されています。
したがって,代表的な高級脂肪酸であるパルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレン酸の示性式・C=Cの数は,必ず覚えていなければいけません。

高級脂肪酸



☆下記が実際に出題されている過去問題です。
挑戦してみてください。



■名古屋市立大学 (2011 薬 一部改)

油脂に関する以下の問いに答えよ。必要があれば次の原子量を用いよ。H=1.0, C=12, O=16

 ある油脂A(分子量886)を構成する脂肪酸は,直鎖の飽和脂肪酸Bと,直鎖の不飽和脂肪酸Cであった。ただし不飽和脂肪酸Cは炭素-炭素間の三重結合を含まないものとする。油脂A22.15gに触媒を用いて水素を完全に付加させたところ,標準状態で1.12Lの水素が付加した。この水素付加反応により生成した油脂Dを水酸化ナトリウム水溶液で加水分解したのち,塩酸で酸性にしたところ,生成した脂肪酸は飽和脂肪酸Bのみであった。
問1.油脂A1分子中に含まれる炭素-炭素間の二重結合の数を求めよ。
問2.油脂Aを構成する不飽和脂肪酸Cとして,可能な示性式をすべて示せ。



■北海道大学 (2011 後期 工 獣医 水産 農 薬 理 )

油脂に関する以下の問いに答えよ。必要があれば次の原子量を用いよ。H=1.0, C=12.0, O=16.0,Na=23.0

 動植物の体内に存在する油脂は,高級脂肪酸とグリセリン(1,2,3-プロパントリオール)が縮合したエステル(トリグリセリド)である。1種類のトリグリセリドからなる油脂G4.16gを完全に加水分解するために,1.00mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を15.0mL必要とした。この反応溶液に塩酸を加え十分に酸性にしてからエーテルで抽出したところ,不飽和脂肪酸Hと飽和脂肪酸Jのみが得られた。一方,G4.16gをニッケル触媒を用いて水素と反応させたところ,標準状態で112mLの水素が付加し,油脂Kが得られた。さらにKを水酸化ナトリウム水溶液を用いて完全に加水分解した後,反応溶液に塩酸を加え十分に酸性にしてからエーテルで抽出したところ,ステアリン酸(C17H35COOH)とJのみが得られた。
問1 油脂Gの分子量を有効数字3桁で記せ。
問2 Hの物質量とJの物質量の比を整数で記せ。
問3 脂肪酸HとJの示性式を例にならって記せ。




■富山大学 (2010 工 理 )

油脂に関する以下の問いに答えよ。必要があれば次の原子量を用いよ。H=1.0, C=12.0, O=16.0,K=39.0, Br=80.0
問1 油脂は炭素原子数の多い脂肪酸とグリセリンのエステルである。水酸化カリウムによる油脂のけん化の化学反応式を書け。ただし,油脂1分子を構成する3分子の脂肪酸は,R-COOH, R'-COOHおよび R''-COOHとせよ。
問2 ある油脂(分子量880)は,炭素原子数が18個の飽和脂肪酸2分子と,炭素原子数が18個の不飽和脂肪酸1分子と,グリセリンとのエステルであった。また,この不飽和脂肪酸の二重結合は, カルボキシル基の炭素原子を1番目とすると,9番目と10番目の炭素原子間に一個あり,その配置はシス形であった。この油脂1gをけん化するのに必要な水酸化カリウムは何gか。小数点第2位まで求めよ。
問3 この油脂のけん化により得られる不飽和脂肪酸1gに付加できる臭素は何gか。小数点第2位まで求めよ。




■筑波大学 (2011 医 情報 人間 生命環境 理工)

油脂に関する以下の問いに答えよ。
必要があれば,次の値を用いよ。 原子量 H=1.00, C=12.0, O=16.0, K=39.1

 油脂を完全にけん化するのに必要な水酸化カリウムの質量から,油脂を構成する脂肪酸の平均分子量を求める方法もある。
問 下線部に関して,ある油脂1.00gを完全にけん化するのに水酸化カリウムが0.193g必要であった。次の問に答えよ。ただし,この油脂を構成する脂肪酸は1種類のみとする。

(ⅰ) この油脂を完全にけん化することにより生じるアルコールの構造式を示せ。
(ⅱ) この油脂の分子量を有効数字3桁で求めよ。
(ⅲ) この油脂を構成する脂肪酸の分子量を有効数字3桁で求めよ。




■神戸大学 (2012 発達科 理 医 工 農 海事科)

必要があれば,次の値を用いよ。 原子量 H=1.00, C=12.0, O=16.0 

 廃食用油などの油脂を有効利用して,セッケンやバイオディーゼル燃料がつくられている。
油脂に水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると,油脂はけん化されて,高級脂肪酸のナトリウム塩(セッケン)とグリセリン(1,2,3-プロパントリオール)が生じる。油脂1molのけん化には水酸化ナトリウムが ア  mol必要である。一定質量の油脂をけん化する場合,油脂の分子量が イ ほど必要な水酸化ナトリウムの量は少なくなる。セッケンは ウ 酸と エ 塩基の塩であるため,水中で一部が加水分解して オ 性を示す。また,セッケンの水溶液に塩酸を加えると白濁する。
 一方,水酸化ナトリウムを触媒として油脂とメタノールを反応させると,高級脂肪酸のメチルエステルとグリセリンが生じる。この脂肪酸メチルエステルはバイオディーゼル燃料とよばれ,軽油の代替品として使用することができる。
 天然の油脂を構成する不飽和脂肪酸は炭素原子間の二重結合の部分で分子が折れ曲がっているが,飽和脂肪酸は分子の形が直線状である。このため,飽和脂肪酸は分子どうしが並びやすく, カ  力が大きい。したがって,構成脂肪酸に飽和脂肪酸が多く含まれる油脂は室温で固体のものが多いが,不飽和脂肪酸の割合が多い油脂は室温で キ のものが多い。

問1 空欄 ア ~ キ にあてはまる適切な語句または数字を記入しなさい。
問2 ある油脂43.9gをすべて脂肪酸メチルエステルに変換するのに,メタノール4.80gが必要であった。この油脂は同一の脂肪酸のみから構成され,脂肪酸には炭素原子間に二重結合が2つ存在する。
(1) 油脂の分子量を有効数字3けたで求めなさい。
(2) 油脂を構成する脂肪酸R-COOHのR-をCmHn-としたとき,m,nの値を求めなさい。




■信州大学 (2013 理 一部改)

必要があれば,次の値を用いよ。 原子量 H=1.00, C=12.0, O=16.0, Na=23.0 

 食用油やバターは油脂とよばれる成分からできており,油脂はグリセリンと脂肪酸が反応して生成する。油脂は,グリセリンの[ a ]基と脂肪酸の[ b ]基から水分子がとれた[ c ]である。脂肪酸には炭化水素基が単結合のみで構成される[ d ]と二重結合が1つ以上含まれる[ e ]がある。
 この油脂からセッケンをつくることができる。セッケンは汚れを落とす目的で広く用いられる生活用品であり,一般的にはパルミチン酸ナトリウムやステアリン酸ナトリウムなど,炭化水素鎖の比較的長い脂肪酸の[ f ]が用いられる。炭化水素鎖の長い脂肪酸は[ g ]とよばれる。セッケンは炭化水素基が[ h ],イオン部位が[ i ]となっていて,水と油の両方になじむ性質をもつ。セッケンを水に溶かすと,ある濃度以上で多数の分子が集合して水和しやすい構造体をつくる。このような構造体をはじめとする直径1~100nm程度の粒子を総称してコロイド粒子とよぶ。コロイド粒子が関係する現象としてはチンダル現象が有名である。
 実際にセッケンをつくってみよう。①油脂と水酸化ナトリウムを加熱しながら混合すると,脂肪酸の[ f ]が生成するが,そのままでは固体としては得られない。多量の電解質を加えれば,白色の沈殿としてセッケンをつくることができる。

(1) [ a ]~[ i ]に適切な語句を記入せよ。
(2) 下線部①の過程5.00×10-2molの油脂から生成するセッケンの質量を,有効数字3桁で求めよ。計算過程も記せ。けん化反応が完全に進行するとして,生成したセッケンの分子式はC15H31COONaのみとする。




■山形大学 (2012 理工 )

油脂に関する以下の問いに答えよ。必要があれば次の原子量を用いよ。H=1.0, C=12, O=16,Na=23
計算結果は有効数字2桁で示せ。

水酸化ナトリウム水溶液を用いて,油脂を完全にけん化したところ,単一の分子式C14H27O2Naを有するセッケン25gが得られた。油脂の質量を求めなさい。




■埼玉大学 (2013 後期日程 理 工 一部改)

必要があれば,次の値を用いよ。 原子量 H=1.0, C=12.0, O=16.0 

脂質は単純脂質と複合脂質に分類され,①単純脂質には油脂がある。油脂は3価アルコールであるグリセリン1分子に脂肪酸3分子がエステル結合したもので,エステルの一種である。
下線部①に関連して,分子量1096の油脂137gに含まれる,すべての炭素-炭素二重結合に水素を付加させるには,標準状態の水素が5.6L必要であった。この油脂1分子中には何個の炭素-炭素二重結合が含まれているか答えよ。また,計算過程も示せ。ただし,油脂の不飽和結合は二重結合のみとする。




■弘前大学 (2012 後期 教育 理工 農学生命 )

油脂に関する以下の問いに答えよ。必要があれば次の原子量を用いよ。H=1.00, C=12.0, O=16.0,I=126.9

〔Ⅰ〕 油脂は〔 a 〕と高級脂肪酸の〔 b 〕である。動物や植物に含まれる油脂には,常温で固体の〔 c 〕と,液体の〔 d 〕がある。動物性油脂には,一般に〔 e 〕が多く含まれており,一方,植物性油脂は〔 f 〕を多く含む。
問1 〔   〕内のaからfに適切な語を入れよ。
問2 リノール酸に含まれる炭素原子間の二重結合の数は何個かを記せ。
問3 オレイン酸のみを含む油脂Dとリノレン酸のみを含む油脂Eがある。油脂DおよびEの分子量を求めよ。計算の過程も合わせて示せ。
問4 油脂の中にはヨウ素により付加反応を受けるものがある。100gの油脂に対して付加するヨウ素の質量をグラム単位で表した数値をヨウ素価という。油脂Eのヨウ素価を求めよ。
   計算の過程も合わせて示せ。
問5 油脂Dのヨウ素価は油脂Eのそれよりも高いか,それとも低いか。その理由も合わせて記せ。




■熊本大学 (2013 理 医 薬 工)

必要があれば,次の値を用いよ。 原子量 H=1.0, C=12, O=16 

 油脂は高級脂肪酸と ア のエステルである。油脂には,常温で固体である イ と,液体である ウ がある。 ウ に触媒を用いて水素を付加させると,固体の エ に変わる。植物油からこの方法で製造された エ が,マーガリンの主材料になっている。油脂に水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると,油脂はけん化されて,高級脂肪酸のナトリウム塩であるセッケンと ア になる。セッケンは,分子内に長い炭化水素基からなる オ 部分と,電荷を帯びた カ 部分をもつ。

問1 文中の ア ~ カ に適切な語句を入れよ。
問2 常温で固体である油脂と液体である油脂について,それぞれの油脂を構成する高級脂肪酸の違いを説明せよ。
問3 炭素数が16である1種類の高級脂肪酸を構成成分とする油脂の分子量を求めたところ,800であった。この油脂を構成する高級脂肪酸を示性式で示せ。また,この油脂400gに水素を付加する場合,最大何gの水素が付加されるか求めよ。




■金沢大学 (2011 医薬保健 人間社会 理工 一部改)

油脂に関する以下の問いに答えよ。原子量 H=1.0, C=12, O=16 とする。

問 分子量1096の油脂について以下の(1)および(2)の問いに答えなさい。
(1) この油脂137gに水素を完全に付加させるには標準状態の水素が5.6L必要であった。
   この油脂1分子中には何個の炭素間二重結合が含まれているか答えなさい。ただし,油脂中の不飽和結合は二重結合のみとする。また,計算過程も示しなさい。
(2) この油脂を構成する脂肪酸は炭素数が同じである飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸である。この油脂の分子式を答えなさい。計算過程も示しなさい。




■岐阜大学 (2013 医 工 応用生物)

必要があれば,次の値を用いよ。 原子量 H=1.0, C=12, O=16, I=127
計算結果は有効数字2桁で示せ。

 油脂は,(a)グリセリン1分子と高級脂肪酸 ア 分子が イ 結合を形成したものである。
この高級脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり,炭素数18の飽和脂肪酸としてはステアリン酸が,また炭素数18で不飽和結合( ウ 型二重結合)を1個持つものとしてはオレイン酸が,炭素数18で不飽和結合を エ 個持つものとしてリノール酸がある。不飽和脂肪酸を含む油脂では,(b)不飽和結合1個にヨウ素1分子が付加する。また,オレイン酸を多く含む油脂は,常温で オ であるが,この油脂にニッケルを触媒として水素を付加させると,不飽和結合が飽和されて固体となり硬化油となる。これはアルケンに触媒を使って水素を付加して,アルカンをつくる反応と同じである。 ウ 型二重結合を持つ油脂に水素を付加させる反応の過程では,副反応としてトランス型二重結合が生じることがある。これがトランス型の不飽和脂肪酸といわれるものである。

問1. ア ~ オ にあてはまる適切な語句あるいは数字を入れよ。
問2.下線部(a)について,グリセリンの構造式を書け。
問3.下線部(b)について以下の(1)と(2)に答えよ。
(1) ある油脂1分子は,オレイン酸が1分子結合し,他はすべてリノール酸が結合しているとすると,この油脂1分子にはヨウ素分子I2は何分子付加することができるか,答えよ。
(2) 上記(1)の油脂100gには,最大何gのヨウ素が付加できるか,答えよ。




■岐阜大学 (2011 医 応用生物科 工 )

油脂に関する以下の問いに答えよ。原子量 H=1.00, C=12.0, O=16.0,
計算結果は特に指定のない限り有効数字3桁で示せ。

油脂を構成する脂肪酸の種類を決定するために以下の実験Ⅰから実験Ⅲを行った。
〔実験Ⅰ〕 油脂Xに水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱し,十分に反応させた。これに塩酸を加えて酸性とし,有機溶媒を用いて抽出したところ,脂肪酸Aと脂肪酸B(物質量比で1:2)の混合物Cが得られた。
〔実験Ⅱ〕 4.40gの油脂Xに触媒を用いて完全に水素を付加したところ,標準状態に換算して560mLの水素が消費され,油脂Yへと変化した。この油脂Yを実験Ⅰと同様に処理したところ,1種類の脂肪酸Dが得られた。

問1.13.2gの油脂Xをけん化するのに,2.00mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を22.5mL必要とした。油脂Xの分子量を求めよ。
問2.1分子の油脂Xに含まれるC=C結合の数を求めよ。
問3.脂肪酸Dの示性式を示せ。





いかがでしたか?意外に手こずったのではないでしょうか?


本チャートは出題タイプを
Ⅰ.油脂の平均分子量を求めるタイプ
Ⅱ.油脂のけん化に必要なNaOHまたはKOHの量を求めるタイプ
Ⅲ.炭素間二重結合の数を求めるタイプ
Ⅳ.油脂に付加する水素またはヨウ素の量を求めるタイプ
Ⅴ.油脂の分子式または油脂を構成する脂肪酸の示性式を求めるタイプ

の5タイプに分類し,これ以上ないくらいにわかりやすく解説しています。


過去問題は,2010年~2013年までに出題された過去問題を徹底的に分析しました。これだけ丁寧にわかりやすく解説しているものは他にはありません!
日本で一番わかりやすい!
といっても過言ではないでしょう。


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□収録出題校
岐阜大学(2011,2013年),金沢大学(2011年),熊本大学(2013年),弘前大学(2012年),埼玉大学(2013年),山形大学(2012年),信州大学(2013年),神戸大学(2012年),筑波大学(2011年),富山大学(2010年),北海道大学(2011年),名古屋市立大学(2011年)


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