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大学受験 化学 核酸に関する問題⑤(金沢大学)

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今日からは、 核酸も関する問題を紹介します。

 

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核酸には,デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)の2種がある。「 ア 」は分子量が106~109に達する巨大分子であるのに対して,「 イ 」の分子量は104~106程度と小さい。

 

いずれも五炭糖と窒素を含む有機塩基と「 ウ 」からなる構造単位の「 エ 」が鎖状に重合した形をとっている。

 

「 イ 」は通常1本鎖の構造をもち,「 ア 」は通常2本鎖が塩基対をつくり二重らせん構造をとっている。

 

問1 「 ア 」~「 エ 」にあてはまる適切な語句または物質名を記入しなさい。

 

問2 ある生物のDNAの塩基組成(モル分率)を調べたら,アデニン(A)が31%を占めていた。
   このDNAのグアニン(G)の割合は何%になるか,求めなさい。

 


問3 次の記述(1)~(5)について,DNAのみに該当するものを(a),RNAのみに該当するものを(b),両方に該当するものを(c),どちらにも該当しないものを(d)に分類し,記号(a)~(d)を記入しなさい。

 

   (1) 構成塩基は,アデニン,グアニン,シトシン,ウラシルの4種である。
   (2) 糖とリン酸がエステル結合で交互に結びつき鎖状になっている。
   (3) 主に核の中に存在する。
   (4) C,H,O,Nの4種類の元素のみからできている。
   (5) 遺伝子の本体である。

 

(金沢大学)

 

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■解答・解説

 

問1 

 

ア …… DNA
イ …… RNA


ウ …… リン酸
エ …… ヌクレオチド

 


問2 


二重らせん構造を形成しているDNAは,アデニン(A)とチミン(T),グアニン(G)とシトシン(C)がそれぞれ水素結合によって結合して塩基対を形成しているため,アデニン(A)とチミン(T),グアニン(G)とシトシン(C)のそれぞれの物質量は等しい。

 

よって,Aの割合が31%なら,Tの割合は31%となる。また,残りのGとCの割合も等しいので,

 

 

問3 

 

(1) 構成塩基は,アデニン,グアニン,シトシン,ウラシルの4種である。


構成塩基は,アデニン,グアニン,シトシン,ウラシルの4種となるのは,RNAである。
よって,…… (b)

 


(2) 糖とリン酸がエステル結合で交互に結びつき鎖状になっている。

 

DNA,RNAともに糖とリン酸がエステル結合で交互に結びつき鎖状になっている。
よって,…… (c)

 


(3) 主に核の中に存在する。
(5) 遺伝子の本体である。

 

DNAは,遺伝子の本体で核の中に存在するのに対し,RNAは細胞全体に分布する。
よって,…… (a)

 

 

(4) C,H,O,Nの4種類の元素のみからできている。


DNA,RNAの構成単位は,リン酸(H3PO4),糖,有機塩基で,構成元素はリン酸は,H,P,O,糖は,C,H,O,有機塩基は,C,H,N,Oであるので,DNA,RNAの構成元素は,いずれもC,H,N,O,Pの5元素となる。

よって,…… (d)

 

 

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