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身の回りの化学に関する問題2

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今日は、身の回りの化学に関する問題の非金属・有機化合物編です。


希ガス
・希ガスは電球の封入ガスに使われる。これは希ガスは安定で他の物質と反応しにくいためである。



C
・黒鉛は炭素の単体で,黒色の光沢のある結晶で,軟らかく電気や熱をよく伝える。
 鉛筆の芯や乾電池の電極に用いられる。※同じく炭素の単体であるダイヤモンドは電気を通さない!

・黒鉛では炭素原子は他の3個の炭素原子と共有結合して,平面状の巨大分子をつくっている。
 しかし,平面状分子の間に働く分子間力は弱いので,薄片にはがれやすく柔らかい。

・閉め切った室内で炭(C)を燃やし続けると危険である。これは,酸素が少ないとCが不完全燃焼し, 有毒な一酸化炭素(CO)が生成するため。

・炭酸飲料をコップに入れて室温に放置すると,次第に発泡が弱くなる。これは,飲料中に溶解している二酸化炭素の量が減少するため。
※気体の溶解度は温度が高いほど小さい。

・ドライアイスは,二酸化炭素(CO2)の固体である。




Si
・ケイ素(Si)は周期表の14族の元素で,同じ14族の炭素(ダイヤモンド)と同様に正四面体型の共有結合の結晶をつくる。高純度のケイ素は,半導体の性質を示し,太陽電池の材料として用いられる。

・リン(P)や硫黄(S)の単体は地殻中に存在するが,ケイ素の単体は自然界には存在しない。

・水晶の主成分は,二酸化ケイ素(SiO2)である。

・二酸化ケイ素は,けい砂などとして天然に存在し,けい砂はガラス製造などのケイ酸塩工業(窯業)における原料として用いられている。

・フッ化水素(HF)の水溶液であるフッ化水素酸(HFaq)は,二酸化ケイ素を溶かす性質があり,くもりガラスの製造等に利用されている。



N
・ハーバー法によって,空気中の窒素からアンモニア(NH3)が合成できるようになった。NH3から窒素肥料が合成され,窒素肥料には尿素((NH2)2CO)や硫酸アンモニウム((NH3)2SO4)等がある。

・肥料の3要素は,窒素,リン,カリウムで,これらを含む肥料をそれぞれ窒素肥料,リン酸肥料,カリ肥料という。



P
・黄リンを大気中に放置すると自然発火して十酸化四リン(P4O10)になる。赤リンは自然発火しない。



S
・硫黄(S)は火山地帯などで単体として得られるが,ケイ素(Si)は酸化物やその塩として存在する。

・火山地帯や温泉では,卵の腐ったような臭い(腐卵臭)がすることがある。これは有毒気体である硫化水素(H2S)の臭いである。
・硫黄の酸化物(SO2)は有毒である。さらに酸化されたSO3は,硫酸(H2SO4)などの工業原料になる。



Cl2
・塩素(Cl2)は水に少し溶け,その一部が水と反応して塩化水素(HCl)と次亜塩素酸(HClO)を生じる。

・次亜塩素酸は酸化力が強く,漂白・殺菌作用を示す。

・塩素を含む漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)と酸性の洗剤を混ぜると有毒な塩素ガスを発生する。

・塩素を含むプラスチックの不完全燃焼によって,塩化水素ガスや有毒なダイオキシン類が発生する恐れがある。

・フロン(クロロフルオロカーボン)は,炭化水素の水素を塩素とフッ素(F)で置換した化合物の総称である。成層圏で,フロンガスが紫外線によって分解して塩素原子が生じ,これがオゾン層破壊の原因となる。


I2
・ヨウ素は水に溶けにくいが,ヨウ化カリウム水溶液には溶けて褐色の溶液になる。これは,ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液(ヨウ素溶液)とよばれる。デンプンを加えると青紫色に呈色する (ヨウ素デンプン反応)ので,デンプンの検出反応に用いられる。

・うがい薬に使われるヨウ素には,その気体を冷却すると,液体にならずに固体になる性質(昇華という)がある。




・水の凍結(凝固)によって,水道管が破損することがあるのは,水の体積は,固体の方が液体より大きいため,水道管内で水が凍結し,体積が増加するため。

・お湯を沸かしたときに白く見える湯気は,水蒸気が凝縮してできた水滴である。



有機化合物
・ナフタレンを主成分とする防虫剤は,虫がナフタレンの蒸気を嫌うことによる。ナフタレンは昇華(固体から直接気体に変化する)によって,防虫剤は小さくなっていくが液体にならないので衣類に染みて傷めることはない。

・セッケン水に油を入れて振り混ぜると,セッケンの疎水基が油滴を取り囲み親水基が外側に向いてミセルを形成し,油滴を水中に分散させる。この現象をセッケンの乳化作用という。

・セッケンの洗浄力は硬水中では低下する。これはセッケンがカルシウムイオンやマグネシウムイオンと反応して,水に溶けにくい塩をつくるためである。

・エチレン(C2H2)を付加重合させて得られる高分子をポリエチレンといい,容器や袋などに用いられる。

・ポリエチレンテレフタラート(PET)は,テレフタル酸とエチレングリコールのエステル結合による縮合重合体(エステル結合を含んだ高分子化合物)であり,衣料品や容器などに用いられている。

・動植物の体内に存在している油脂は高級脂肪酸とグリセリンとのエステルである。液体の油脂に水素を付加させると固体の硬化油となり,マーガリンなどの原料に用いられる。
・皮膚をアルコールで消毒するとき,アルコールがその蒸発に伴って体から熱を奪う為,冷たく感じる。


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