センター試験の化学では「身の回りの化学に関する問題」が近年毎年出題されています。
そこで、今日は「無機物質の金属編」についてまとめてみました。
下記は実際に出された問題or問題文にポイントを付け加えたものor誤っていた問題文を正したものです。
今後も出題される可能性があるのでしっかり覚えてください。
Li
・リチウム(Li)を使う二次電池は,小型のため携帯電話の電子機器に用いられている。
Na
・炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は加熱すると熱分解で二酸化炭素が発生するので,ふくらし粉(ベーキングパウダー)に利用されている。
・ナトリウムは,炎色反応で黄色を呈する元素であるので,その化合物は花火に利用されている。
・ガラスの原料に使われる炭酸ナトリウム(Na2CO3)は,アンモニアソーダ法(ソルベー法)によって合成できる。アンモニアソーダ法は,塩化ナトリウム(NaCl)から炭酸ナトリウム(Na2CO3)をつくる方法である。この方法の開発により,ガラス製品が普及した。
Mg
・マグネシウム(Mg)は軽い金属なので,軽量な合金の材料として用いられ,マグネシウム合金はパソコンや電気製品のボディーの素材として利用されている。
Ca
・海苔の袋の中に乾燥剤として入っている酸化カルシウム(CaO 生石灰)を水に濡らすと高温になる。 これは,塩基性酸化物の酸化カルシウムは水と反応して,水酸化カルシウム(Ca(OH)2 消石灰)を生じ,発熱するため。
・焼きセッコウに水を加えると,発熱しながら膨張し,セッコウになって硬化する。この性質を利用して,建築材料や陶磁器の型,医療用ギプスなどに用いられる。
・大理石の主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)であり,大理石の彫刻は酸性雨の被害を受けることがある。これは,CaCO3 は,弱酸と強塩基の塩であるので,硝酸(HNO3)のような強酸を含む酸性雨と反応して溶けだすためである。
・炭酸カルシウムは,卵の殻や貝殻の主成分でもある。
Ba
・硫酸バリウム(BaSO4)は,白色顔料やX線撮影の造影剤に用いられる。(出題されていないが、今後出題可能性あり)
Fe
・ステンレス鋼は錆びにくい合金であり,鉄を主成分としてクロム(Cr)やニッケル(Ni)を含んでいる。錆びにくい性質を利用し,台所の流し台などに用いられる。
・使い捨てカイロ内では,鉄粉が空気中の酸素によって徐々にさびている。つまり,鉄粉は酸化され,この反応熱によって,カイロは温かくなる。
・精錬は,粗金属の純度を高め精製する工程である。鉄の場合は,電気分解ではなく,銑鉄を転炉に入れて酸素を吹き込み,鉄中の炭素(C)を一酸化炭素(CO)として酸化除去して鋼にする。
・鉄を亜鉛(Zn)でめっきすると,さびにくくなる。鉄の表面を亜鉛でおおったものをトタンといい,トタンに傷がついても亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいため,亜鉛が陽イオンとなって溶けるので.鉄は腐食されにくくなる。
Cu
・銅(Cu)は赤みを帯びた金属で,熱伝導性,電気伝導性が銀(Ag)についで大きく,さらに展性・延性も,金(Au),銀についで大きいので,電線などの電気材料に多量に用いられる。
・真鍮(しんちゅう)は銅に亜鉛を混ぜた合金である。
・銅を屋外で放置すると,大気中のH2OやCO2によって緑色のさびである緑青(ろくしょう)を生じる。
Ag
・銀(Ag)は銀白色の金属で,電気と熱の伝導性が金属中で最大である。展性や延性も金の次に大きく,酸化にも比較的強い。このため,電気配線や鏡,食器や装飾品などに用いられている。
・銀のハロゲン化物は,光によって分解し,銀を析出する。このような性質を感光性といい,ごの性質を利用して写真フイルムの感光剤として用いられている。
Zn
・亜鉛(Zn)は,乾電池の電極や黄銅などの合金,トタン(亜鉛をメッキした鋼版)などに利用されている。
Pb
・鉛(Pb)は,鉛蓄電池やハンダなどの合金に利用されている。また,X線などの放射線を吸収する能力が大きく,X線遮蔽材に用いられることもある。
Al
・アルミニウム(Al)は,熱や電気をよく伝え,展性や延性に富むこので,電気材料やアルミニウム箔などの家庭用品,飲料用缶などに用いられている。
・航空機の機体に利用されている軽くて強度が大きいジュラルミンは,アルミニウムを含む合金である。ジュラルミンは,主成分がAlで,Cu,Mg,Mnを少量含む。
Hg
・水銀(Hg)は多くの金属を溶かし,合金(アマルガム)をつくる。
その他金属
・銅,鉄,アルミニウムに代表される金属は自由電子をもつので,高い電気伝導性・熱伝導性を示す。
・花火がさまざまな色を示すのは,炎色反応によるものである。
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センター試験で出題された「身の回りの化学」に関する問題
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