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☆化学 東京海洋大学(2019年)の理由を問う記述問題

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今日は、東京海洋大学(2019年)で出題された理由を問う記述問題を紹介します。

 

挑戦してみてください!

 

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次の文章を読み,問に答えよ。

 酸化還元反応に伴って発生する化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置を,化学電池(以下,単に電池と記す)という。

 

異なる2種類の金属を導線で結び,これらの金属を電解質水溶液に浸すと,イオン化傾向の「 ア 」金属から「 イ 」金属に電子が移動する。

 

このとき,2種類の金属を電池の電極といい,導線へ電子が流れ出る電極を「 ウ 」,導線から電子が流れ込む電極を「 エ 」と呼ぶ。

 

電池の両極に回路を接続して電流を取り出すことを電池の「 オ 」といい,「 ウ 」と「 エ 」の間に生じる「 カ 」を電池の起電力という。

 

一方,電池内で酸化還元反応に直接関わる物質を「 キ 」といい,「 ウ 」で「 ク 」としてはたらく物質を「 ケ 」,「 エ 」で「 コ 」としてはたらく物質を「 サ」 という。


 1800年頃にボルタによって考案された電池は,1亜鉛板と銅板を希硫酸中に浸したものである。両者の金属板を導線で結ぶと導線に電気が流れるが,2間もなく起電力が低下して,電流は流れにくくなる

 

。この現象を電池の「 シ 」という。そこで,ダニエルは素焼き板で2つに仕切った容器に硫酸亜鉛の水溶液と硫酸銅(Ⅱ)の水溶液を分けて入れ,前者に亜鉛板を,後者に銅板を浸した電池を考案した。

 

一般にダニエル電池は「 シ 」が起こらない点で,ボルタ電池の改良型ともいえる。

 

ダニエル電池で3起電力を長時間維持させるには,水溶液中の硫酸亜鉛や硫酸銅(Ⅱ)の濃度を調整すればよい。

問1 文中の「 ア 」から「 シ 」にもっとも適切な語を,下記の語群から1つずつ選んで答えよ。なお,同じカタカナの「   」には同じ語が入る。
 

〔大きな    小さな    酸化剤    還元剤  充電     放電    分極    正極
 負極    電気分解    電気陰性度    電離度  電気素量    電位差    抗生物質    活物質
 正極活物質    負極活物質〕

問2 下線部1について,ボルタ電池の構成を表す式(電池式)を示せ。

問3 下線部2について「 シ 」が起こる原因を,「 ウ 」に着目して40字以内で述べよ。

問4 ダニエル電池において,酸化および還元された元素あるいはイオンはそれぞれ何か。元素は元素記号で,イオンはイオン式で答えよ。

問5 ダニエル電池の導線の中央部に電圧計を設置し,電圧の値が安定していることを確認してから素焼き板を取りはずして硫酸銅(Ⅱ)水溶液と硫酸亜鉛水溶液を混合した。

そのとき,亜鉛板の表面に次第に銅が付着し始め,電圧が低下した。これらの現象が生じた理由を化学反応式を使って説明せよ。


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問1

 

 ア…大きな

 イ…小さな

 ウ…負極
 エ…正極

 オ…放電

 カ…電位差
 キ…活物質

 ク…還元剤

 ケ…負極活物質
 コ…酸化剤

 サ…正極活物質

 シ…分極

 

問2 

 

(-)Zn|H2SO4aq|Cu(+)
 

 

問3

 

 負極周辺の亜鉛イオン濃度が上昇し,イオン化が起こりにくくなるため。
 

 

問4

 

 酸化…Zn

 還元…Cu2+
 

 

問5 

 

溶液を混合することにより,次の反応が起こる。
 

Cu2+ + Zn → Cu + Zn2+
 

亜鉛のイオン化傾向は銅よりも大きいので,溶液中のCu2+は亜鉛板表面で電子を受け取り銅を析出する一方で,亜鉛はZn2+となって溶液中に溶けだし,導線を通して亜鉛板から銅板に電子が移動できなくなるため。

 

 

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