入試で出題される「気体の製法と性質に関する問題」の出題タイプは,
次のⅠ~Ⅸの9タイプがあります。
Ⅰ.水への溶解性,水溶液の液性に関する問題タイプ
Ⅱ.色に関する問題タイプ
Ⅲ.臭いに関する問題タイプ
Ⅳ.毒性に関する問題タイプ
Ⅴ.気体の製法に問題タイプ
Ⅵ.気体の性質と検出に関する問題タイプ
Ⅶ.捕集法に関する問題タイプ
Ⅷ.乾燥剤に関する問題タイプ
Ⅸ.発生装置に関する問題タイプ
今日は,「気体の性質と検出に関する問題」について解説します。
ポイントは,あるキーワードから気体がすぐに連想できるようになることでです。
センター試験,2次試験を分析して,頻出のキーワードをまとめたので,しっかり
覚えてくださいね!
■白煙が生じた ⇒ NH3 or HCl
・アンモニアに塩化水素を反応させると,塩化アンモニウムNH4Clの白煙が生じる。
NH3 + HCl → NH4Cl
★問題例
・濃塩酸をつけたガラス棒を近づけると白煙が生じた ⇒ NH3
・アンモニア水をつけたガラス棒を近づけると白煙が生じた ⇒ HCl
■水溶液が白濁 ⇒ H2S or SO2
・水溶液中で二酸化硫黄と硫化水素が反応すると,硫黄が遊離して白濁する。
SO2 + 2H2S → 2H2O + 3S
■石灰水が白濁 ⇒ CO2
・水酸化カルシウム水溶液(石灰水)に二酸化炭素を吹き込むと,炭酸カルシウムが白色沈殿する。
さらに,二酸化炭素CO2を吹き込むと,沈殿が溶解する。
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 +H2O
CaCO3 + H2O + CO2 → Ca(HCO3)2
■KIデンプン紙を青変 ⇒ Cl2,O3 (F2,NO2,O2)
・塩素とオゾンは酸化力があり, 水で湿らせたヨウ化カリウム(KI)デンプン紙のKIのI-からe- を奪い I2 にするため,I2とデンプンがヨウ素デンプン反応を示して,デンプン紙が青くなる。
2KI + Cl2 → 2KCl + I2
2KI + O3 + H2O → I2 + 2KOH + O2
■黒色沈殿 ⇒ H2S
・硫酸銅(Ⅱ)水溶液に硫化水素を通じると,硫化銅(Ⅱ)の黒色沈殿を生じる。
Cu2+ + S2- → CuS
・酢酸鉛(Ⅱ)水溶液に硫化水素を通じると,硫化鉛(Ⅱ)の黒色沈殿を生じる。
Pb2+ + H2S→ PbS + 2H+
■青色リトマス紙が赤変後,脱色され白変 ⇒ Cl2
・塩素を青色リトマス紙に触れさせると,リトマス紙は赤変後(酸性の為),さらに,脱色されて白変する。
★理由は,塩素Cl2は水に少し溶け,一部が水と反応して次亜塩素酸HClOを生じる。次亜塩素酸が,強い酸化作用を示し,リトマス紙を漂白する。
■湿った酢酸鉛紙を黒変 ⇒ H2S
・酢酸鉛(Ⅱ)水溶液に硫化水素を通じると,硫化鉛(Ⅱ)の黒色沈殿を生じる。
Pb2+ + H2S→ PbS + 2H+
■赤色リトマス紙を青変 ⇒ NH3
・塩基性の気体であるアンモニアNH3は,水で湿らせた赤色リトマス紙を青変させる。
■漂白作用 ⇒ Cl2,O3(酸化作用のため)SO2(還元作用のため)
・漂白に関しては塩素,オゾン,二酸化硫黄の3つ。
塩素の方は酸化剤,二酸化硫黄の方は還元剤としての性質のため漂白作用が起こる!
■酸化作用 ⇒ Cl2,O3,F2,NO2,O2
■還元作用 ⇒ NO,SO2,H2S,H2(高温),CO(高温)
↧
.気体の性質と検出に関する問題
↧