今日は,気体の捕集法について解説します。
実験的製法で発生した気体を集める方法は,次のように,水上置換,上方置換,下方置換の3種類があります。
①水上置換……
純度の高い気体(空気の混入を極力避けることができるため)を捕集でき,水による洗浄もできる)ために,水に溶けにくい(中性の気体)は,水上置換で集めます。
※水上置換は,水蒸気が混入してしまうというデメリットがあります。
②上方置換……
水に溶ける酸性・塩基性の気体は,水上置換では捕集できないので,空気より軽い気体(気体の分子量<空気の平均分子量(約29))は,上方置換で集めます。
アンモニアの分子量は17なので,アンモニアのみ上方置換となります!
※上方置換は,空気が混入してしまうというデメリットがあります。
③下方置換……
空気より重い気体(気体の分子量>空気の平均分子量(約29))は,下方置換で集めます。
結果的に,酸性の気体は,すべて下方置換となります。
※下方置換も,空気が混入してしまうというデメリットがあります。
※同温・同圧の気体の密度は,分子量に比例するので,空気の平均分子量約29より,分子量が小さい気体は空気より軽く,大きい気体は空気より重いことになります!
ちなみに空気の平均分子量は,
空気の組成は,約 N2:O2=4:1なので
28×(4/5)+32×(1/5)=28.8≒29
となり,風がふ(2)く(9)と覚えます!
まとめると
水上置換 …… NO,CO,H2,H2,N2 ←中性の気体
上方置換 …… NH3 ←塩基性の気体
下方置換 …… NO2,CO2,H2S,SO2,Cl2,HCl ←酸性の気体
偶然にも,塩基性気体であるアンモニアは上方置換,
酸性気体はすべて下方置換となるので,
気体の性質を覚えていれば,難なく覚えられますね!
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気体の捕集法
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