今日から、 医薬品に関する問題を紹介していきます。
医学部の二次では、よく出題され、覚えてしまえば点が取れる分野なので、確実にマスターしましょう。
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人類は古くから,ヤナギの樹皮に解熱鎮痛効果があることに気づいていた。
19世紀にはヤナギから有効成分であるサリシンが抽出され,その後サリシンは体内で「 カ 」に変換されて薬用効果を示すことが明らかにされた。
しかし,「 カ 」は粘膜に刺激を与えて胃を痛めることがわかり,「 カ 」から合成される「 キ 」が開発された。
「 キ 」は解熱鎮痛剤として現在でもよく使われている。
「 カ 」からは,消炎外用薬,刺激緩和剤として使われる「 ク 」も合成される。
一方,20世紀にはイギリスのフレミングが,カビの出す物質が細菌の生育を妨害していることに気づき,この物質を「 ケ 」と命名した。
「 ケ 」のように微生物が生産し,ほかの微生物の発育や機能を阻止する物質を抗生物質という。
抗生物質は細菌による感染症の治療に大きな威力を発揮してきたが,これを用いるうちに抗生物質に強い抵抗性をもつ細菌が出現するようになった。そのために,新しい抗生物質を次々に開発していく必要がある。
問1 文中の「 カ 」~「 ケ 」に適切な語句を記せ。
問2 「 ケ 」はヒトに対しては毒性が低い。これはなぜか,説明せよ。
問3 下線部のような細菌を何というか。
(熊本大学)
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■解答・解説
問1
カ……サリチル酸
キ……アセチルサリチル酸
ク……サリチル酸メチル
ケ……ペニシリン
問2
ペニシリンは細菌が細胞壁をつくるのを妨げる働きを持つが,ヒトは細胞壁を持たないため。
問3
耐性菌
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