今日からテーマ別に分けた正誤問題を出題します。
今日は,アルカンに関する正誤問題です。
■炭素原子間の結合がすべて単結合で,鎖状に結合した炭化水素化合物をアルカン(一般式はCnH2n+2),炭素原子間の結合がすべて単結合で,環状に結合した部分を含む炭化水素化合物をシクロアルカン(一般式はCnH2n)といいます。
アルカンは,すべて単結合でできているため,反応性に乏しいのが特徴で,反応は,燃焼とハロゲンによる置換反応をおさえておけばいいでしょう。
アルカンの代表であるメタンの性質についておさえることがポイントです!
★次の正誤を判定せよ。
■問題① アルカンは,水によく溶ける。
■問題② ブタンは常温・常圧で気体である。
■問題③ アルカンの沸点は,炭素原子数が増大するにつれて低くなる。
■問題④ メタンは正方形の構造をし,H-C-Hの結合角は90°である。
■問題⑤ エタンは,C-C結合を軸として,両側のメチル基が回転できる。
■問題⑥ シクロヘキサンの環を構成している炭素原子はすべて同一平面上にある。
■問題⑦ 炭素数4のアルカンには,3種類の構造異性体がある。
■問題⑧ シクロアルカンの一般式は,アルケンの一般式と同じである。
■問題⑨ 酢酸ナトリウムと塩酸の混合物を加熱するとメタンが生成する。
■問題⑩ アルカンは,可燃性で燃料になる。
■問題⑪ シクロアルカンは,アルカンとは異なり反応性に富む。
■問題⑫ メタンと塩素の混合物に光を照射すると,四塩化炭素が生成する。
★解答
□問題①
解答 …… 誤り。
アルカンは,極性が極めて小さい分子のため,極性溶媒である水にはほとんど溶けず,無極性溶媒であるベンゼンやジエチルエーテなどの有機溶媒にはよく溶けます。
□問題②
解答 …… 正しい。
ブタンの分子式は,C4H10でアルカンの,一般式CnH2n+2 の n=4までが常温・常圧で気体,
n=5~16で液体,n =17以上で固体となります。
□問題③
□解答 …… 誤り。
炭素数が増加すると分子量も大きくなり,分子どうしの結合に働く分子間力が大きくなるので,沸点や融点は高くなります。
□問題④
□解答 …… 誤り。
炭素の4本の単結合は炭素原子を中心として正四面体の頂点の方向に向いています。
よって,メタンCH4は,正四面体の構造をし,H-C-Hの結合角は約110°くらいです。
□問題⑤
□解答 …… 正しい。
アルケンのC=C二重結合,アルキンのC≡C三重結合は回転できませんが,アルカンのC-C結合は自由に回転できます。
□問題⑥
□解答 …… 誤り。
シクロへキサンC6H126の環状構造は,ベンゼンC6H6とは異なり同一平面上には存在せず,いす形,舟形などの立体構造をとっています。
□問題⑦
□解答 …… 誤り。
分子式が同じで,性質の異なる化合物を異性体といい,原子のつながり方が異なる異性体を構造異性体といいます。アルカンは,炭素数4以降から構造異性体が存在し,炭素数4のアルカンには,
ブタン,2-メチルプロパンの2種類の構造異性体があります。
□問題⑧
□解答 …… 正しい。
一般式は,CnH2n で同じです。
□問題⑨
□解答 …… 誤り。
塩酸HClではなくて,水酸化ナトリウムNaOHまたはソーダ石灰(CaO+NaOH)で
メタンCH4が生成します。これは,CH4の実験的製法となり反応式は次のようになります。
CH3COONa + NaOH → CH4 + Na2CO3
アルカンは天然から得られる場合が多いので,製法はメタンくらいしか問われません。
□問題⑩
□解答 …… 正しい。
アルカンは反応に乏しく,メタンやプロパンC3H8のように主に燃料として用いられます。
メタンは,天然ガスの主成分で,都市ガスなどに利用されています。
□問題⑪
□解答 …… 誤り。
シクロアルカンは,アルカンと同様に,単結合のみでできた構造をもち,反応性は乏しくなります。
□問題⑫
□解答 …… 正しい。
アルカンは,塩素Cl2や臭素Br2などのハロゲンに光や紫外線を当てると置換反応をしハロゲン化水素が生成します。
例えば,メタンと塩素の混合物に光を当てると,次のように連鎖反応をします。
メタン→クロロメタン(塩化メチル)
→ジクロロメタン(塩化メチレン)
→トリクロロメタン (クロロホルム)
→テトラクロロメタン (四塩化炭素)メタン
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アルカンに関する正誤問題
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